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美しき陶芸品「備前焼」を紹介

こちらの動画は「伝統工芸 青山スクエア」が公開した「手技TEWAZA「備前焼」Bizen pottery/伝統工芸 青山スクエア Japan traditional crafts Aoyama Square」です。

日本の伝統工芸の一つ「備前焼」は長い歴史を持つ「六古窯」の一種で別名伊部焼とも言われています。
備前焼は釉薬(うわぐすり)などの薬を使わない特徴的な「酸化焔焼成(炎に直接触れさせて焼く方法)」によって浮きあがってくる堅くしまった赤みの強い色と表面のガラスのような光沢、そしてゴツゴツとした野趣あふれる手触りが人気の伝統工芸品です。

動画で紹介されている備前焼とは

備前焼の画像
写真:備前焼

備前焼は現在の岡山県付近で取れる田土という独特な粘土を原料にしています。
備前焼が六古窯と言われているのは、平安時代の文献にすでに登場しているからです。
その後、今日に至るまで茶陶の名品を生み出し続け、現在も積極的に後継者の育成が行われています。
昔から岡山県の重要な文化と産業であり、日本を代表する陶器が備前焼というわけですね。

このように備前焼は長い伝統と格式を有する陶器で、有名な窯元からは人間国宝に指定される作家や職人が排出されるなど価値、人気ともに高いのです。
しかし、現代の備前焼の販売値段は手が届かないほど高額ではありません。
鎌倉時代以降の備前焼は貴族や公家のためだけのものではなく武家や町人が使う日用品として人気が高かったのです。

備前焼の美しい茶色やオレンジ色は、岡山県付近で出土する特殊な粘土に含まれている鉱物が描き出すものです。
焼くときには油分の強い松の灰をかけ、藁を敷いて直接炎に触れるようにして焼き上げます。
こうして高温で焼くことで土にふくまれている鉱物がガラス化し表面の強度とツヤを高めるのです。

薬を使わないため、磁器のようなツルツルとした質感ではなく、ゴツゴツとした素朴で野趣にあふれる男性的な風合いはとても力強いのです。

動画でご覧なれる備前焼の作り方・製作工程・作成方法

土もみの画像
画像引用 :YouTube screenshot

こちらでは動画に沿って備前焼の作り方をご紹介します。

1、土もみ [動画:0:34~]
田んぼの地下3~5メートルくらいにある粘土層を掘り出して使うのが一般的です。

2、成型 [動画:0:48~]
粘土内の空気を抜き、粘りを出して割れやひびが入り難くします。
ろくろを使って作品を作ります。

3、乾燥 [動画:1:29~]
十分に乾燥させます。

4、窯詰め [動画:1:44~]
より美しい焼けを狙い厳密に計算して窯に詰めていきます。

5、窯焚き [動画:2:28~]
10日以上の長い日にちをかけて焚あげます。

動画でご覧なれる備前焼の模様について

胡麻の画像
画像引用 :YouTube screenshot

動画では出来上がった作品もご覧になれます。

・胡麻 [動画:3:03~]
焼成中に薪の灰が器物に降り積もります。
その灰は土と反応し、ガラス化して模様が出来上がります。

・桟切り [動画:3:12~]
窯の焼きあがりの時に炭を投入して部分的に白~青~黄とコントラストの強い色変わりの模様ができます。

緋欅[動画:3:20~]
ワラのアルカリ分と、素地の鉄分が反応して出来る模様です。

備前焼紹介まとめ

備前焼の画像
写真:備前焼

備前焼を「伊部焼」というのは伊部という地名からきています。
現在も岡山県の伊部駅周辺には備前焼の窯元やギャラリーを併設した工房が点在し、毎年秋に行われる備前焼祭りには日本各地から多くの陶器ファンや観光客が訪れます。
今でも岡山県では備前焼作品を通して日本の伝統工芸品の歴史と文化を伝えています。
マグカップやビール用のグラスなど気軽に使用できる作品もありますよ。

【公式ホームページ】備前焼 | 伝統的工芸品 | 伝統工芸 青山スクエア
https://kougeihin.jp/craft/0418/

この記事を書いた人
最終更新日 : 2021年11月13日
日本
児玉 勇(Yu Kodama)
日本と焼き鳥をこよなく愛するライター

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平安時代から続く岡山県の陶芸品「備前焼」の美しさの謎に迫る!外国人の心も掴む工芸品は職人のこだわりによって作られる!
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