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宮城伝統こけし紹介動画について

こちらの動画は「東北STANDARD」の制作した、東北に古くから伝わる伝統工芸品「宮城伝統こけし」を紹介した「東北STANDARD 07 宮城県 仙台こけし」です。

宮城伝統こけしの歴史、起源は古く、江戸時代の中期以降に東北地方の温泉地のお土産として生まれました。
宮城県内には、鳴子こけし(なるここけし)、作並こけし(さくなみこけし)、遠刈田こけし(とおがつたこけし)、弥治郎こけし(やじろうこけし)、肘折こけし(ひじおりこけし)の5つ種類の伝統こけしがあり、製作者により形や描かれる彩色が異なります。

こけし工房「玩愚庵」のこけし工人・鈴木明さんの画像
画像引用 :vimeo screenshot

この動画で紹介されている、宮城県仙台市秋保温泉にある「秋保工芸の里」のこけし工房「玩愚庵」のこけし工人・鈴木明さんは、明治時代のこけし職人「高橋胞吉(たかはしえなきち)」の制作した「胞吉こけし(えなきちこけし)」の復元に取り組んでいます。

インタビューでは、鈴木明さんの作るこけしの特徴や、受け継がれてきた伝統について語っています。
昔から変わらぬ、日本伝統文化をこの動画で堪能してください。

仙台こけしとは

こけしの画像
写真:こけし

こけしとは、一般的には球形の頭と円柱の胴のシンプルな形の木製の人気の玩具で、女の子の人形遊びや、おままごとの道具として使用され販売されている為、胴体部分は子供でも握りやすい形状に作られています。

こけしの語源のひとつとして言われているのが、“こふけし”という鳴子周辺での呼び名です。
こけしには地域によっては、「きぼこ」「でく」「こげす」「ほうこ」など様々な呼び名があり、こけしにも「木偶子、木形子、木芥子、木削子、小笥子」など多くの当て字がありました。
昭和15年(1940年)に開催された、東京こけし会総会「第一回現地の集まり・鳴子大会」で研究家や工人たちが議論の末、“こけし”との名前で統一されました。

 仙台こけしの画像
画像引用 :vimeo screenshot

この動画でご覧になれる鈴木明さんの作るこけしは「作並こけし」で、その中の「仙台こけし」に分類されています。

インタビューの0:33から語られているように、仙台こけしの特徴は胴体の下部が持ちやすいように、くびれており、赤と黒のシンプルな色使いです。
先代から伝わる伝統的な形をこけしの他に、鈴木明さんは動画の0:57から紹介されている「百想こけし」などの可愛らしいこけしを作り分けています。

古くから伝わる伝統の技法、技術で作られる当時から変わらぬ形状のものから、現代の文化に合わせた形状と、時代に合わせて幾つもの作品が作られています。

こけしの作り方

こけしは、主にミズキやイタヤカエデの木が原料・材料として、職人の手仕事による匠の技で作られます。

生産工程1 玉切り、木取り
乾燥した木材適度な寸法に整えることを玉きり、こけしを作るために適した形に製材することを木取りと言います。
のこぎりなどで木を切り、角を落としたりして円筒形にし、こけしの原型を作ります。

仙台こけし・制作工程の画像
画像引用 :vimeo screenshot

生産工程2 木地挽き(動画 0:14~)
頭の部分と、胴体の部分をろくろに取りつけ、それぞれカンナで削ります。

生産工程3 仕上げ挽き
木地挽きである程度の形に削られたら、バンカキという仕上げ用のカンナで削って形を整えます。
続いて、サンドペーパーでさらにきめ細かく、なめらかに仕上げます

仙台こけし・制作工程の画像
画像引用 :vimeo screenshot

生産工程4 絵付け(動画 0:41~)
ろくろを回しながら胴体に線を書いたり、顔を丁寧に書いていきます。

生産工程5 完成
頭に穴を開けて、胴体と繋げます。

その他のこけし情報紹介

こけしの絵付け体験をする子供の画像
写真:こけしの絵付け体験をする子供

鳴子こけしの産地の鳴子温泉では、日本各地の伝統こけしが勢ぞろいする「全国こけし祭り」が開催され、フェスティバルパレードや、こけしの制作実演展示即売会が行われます。

また宮城県仙台の「こけしのしまぬき」では、東北地方の様々な民芸品、工芸品を取り扱っており、こけしの絵付け体験もあります。
伝統のこけしを缶に詰めた「こけし缶」や、災害に備え胴体が光る「明かりこけし」など様々なこけしグッズが販売されています。
「こけしのしまぬき」で取り扱っている商品は、オンラインショップ(通販)での購入も可能です。

他にも人気のこけしグッズは、紙製のご当地こけしクリップや、マスキングテープ、こけしキーホルダー、お菓子のこけしボーロがあります。
また、宮城県の方言を話すユニークなキャラクター「仙台弁こけし」も人気で切手やLINEスタンプも販売されています。
「仙台弁こけし」の巾着は女優の石原さとみさんが使用していることで注目を浴びました。

仙台こけし紹介動画まとめ

鈴木明さんの画像
画像引用 :vimeo screenshot

鈴木明さんはインタビューの1:24より、「昔からのものをただ受け継ぐだけでは、伝統を守れない。
どんどん新しいものに挑戦して伝統を守る」と語っています。

子どもの玩具としての古くから親しまれてきたこけしですが、現在では、芸術品、美術品として海外へのお土産や収集品としても人気があります。

この記事と動画をご覧になって、東北こけしに興味を持たれた方は、鳴子町にこけしの博物館「日本こけし館」があります。
こちらに訪れてみるのもおすすめです。
この動画でインタビューに答えている鈴木明さんは一見強面の風貌ですが、こけしへの愛情が約2分の中にたっぷり詰まっています。
きっとこの動画を見終わった時、あなたもこけしの虜になっているでしょう。

秋保工芸の里 玩愚庵こけし屋
http://www.city.sendai.jp/kankokikaku/akiukoge/koge/ganguan.html

この記事を書いた人
最終更新日 : 2020年10月12日
日本
まえたけ(Maetake)
日本大好き!おすすめ動画を紹介していきます!
可愛らしい風貌は海外のお土産やコレクションとしても大人気の「こけし」。日本に古くから伝わる宮城県の伝統工芸品を愛する強面の職人が語るこけしへの愛。
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