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福島県会津の伝統工芸品・会津張り子とは

こちらの動画は「東北STANDARD」が制作した、赤べこ発祥の町の会津が誇る伝統工芸品「会津張り子(会津張子)」の職人を紹介した動画「TOHOKU STANDARD 03 FUKUSHIMA PREFECTURE AIZU HARIKO」です。

会津張り子の歴史・起源は古く、今から約400年前の戦国時代に、豊臣秀吉に仕えていた東北地方の福島県会津の領主「蒲生氏郷公(がもううじさと)」が、京都から人形師を招き、下級武士たちに技術を取得させて、庶民の産業振興の糧にした日本の伝統工芸品・郷土玩具・民芸品です。
会津若松駅前には、巨大な赤べこが飾られているほど、地元に根付いた伝統工芸品・郷土玩具・民芸品となっています。

会津で赤べこが親しまれているのは、約1200年前に建造された日本三大虚空蔵尊の一つ、圓藏寺に伝わる赤毛の牛の群れが、本堂再建の手伝いをしたという「赤べこ伝説」が語り継がれている為、と言われています。

この動画では、そんな会津張り子(会津張子)の二人の職人が、会津張り子の歴史や伝統、こだわりについて語っています。
真っ赤な会津張り子の美しさは、まさにアートとも言える芸術品!動画でその会津張り子の美しさ堪能してください。

伝統工芸品・郷土玩具・民芸品の会津張り子職人が語る伝統工芸品へのこだわり

豊琳さんと早川美奈子さんの画像
画像引用 :vimeo screenshot

張り子(張子)とは、竹や木などで組んだ枠に紙などを張りつけ成型するもので「はりぼて」とも言われています。
日本の有名なお祭り「ねぶた祭り」の山車燈籠もこの技法で作られています。

張り子の技術は2世紀に中国で始まり、アジアなど各国に伝わったと言われています。
この張り子の民芸品・郷土玩具は日本全国にあり、岩手県の「六原張り子」、宮城県の「首振り仙台張子」、福島県の「三春張子」「犬張り子」、山形県の「山形張子」、栃木県の「黄鮒」、群馬県の「高崎招き猫」、埼玉県の「川越だるま」、東京都の「江戸犬張子」、静岡県の「浜松張子」、富山県「紙塑人形」、兵庫県の「神戸須磨張り子」、岡山県の「道楽かん工房」、広島県の「宮島張り子」、香川県の「高松宮内張子」、高知県の「張子鯨車」、高知県の「土佐和紙漆喰張り子」、沖縄県の「琉球張子」があります。

会津張り子は真っ赤な彩色が特徴的で、主に子育て、開運、商売繁盛、五穀豊穣を祈願して作られています。

この動画でインタビューに答える二人の会津張り子職人は、赤べこの販売店「野沢民芸」の作家「豊琳」さんと、その娘さんの「早川美奈子」さんで、親子二代に渡って会津張り子を作っています。

「会津張り子の赤べこ職人は昔は30人ほどいたが、どれも形が違い、一貫したこだわりで50年同じ物を作ってきた」と、インタビュー動画の0:33より「豊琳」さんは語っています。
しかし、動画の1:48より、「早川美奈子」さんは「受け継がねばならない部分も必要だが、新しいものを取り入れて、いろいろな人に支持されて産業として生き残ることも大切」「時代の生活に合わせて変化してもいいが、本質的なものは残っていることが望ましい」と語ります。

伝統は守らなければいけないが、後継者不足や伝統の衰退など、現実的な問題で新しい風を吹き込まなければいけないという、職人の葛藤がインタビューからも伝わってきます。

伝統工芸品・郷土玩具・民芸品の会津張り子の作り方・制作工程

会津張り子製作中の画像
画像引用 :vimeo screenshot

この動画ではインタビューと共に、赤べこを作る様子も動画の0:31よりご覧になることができます。
この記事では一般的な赤べこ張り子の制作方法を紹介させていただきます。
全て手作業で行う職人技は見逃せない!

材料:紙、土、木、わら、竹など
1.木型の形を作り、その木型に和紙を何枚も糊で貼りつけて乾燥させます。(動画:0:31~)
2.糊が乾いたら、背や腹を小刀で切り開き、木型を取り出します。
3.木型を取り出したら、もう一度切った和紙を張り合わせ、特殊な塗料で下塗りをします。
4.赤い染料などで上塗りをして色をつけます。(動画:0:53~)
5.墨などを使い、模様をつけます。(動画:1:26~)
6.最後に頭部の取り付けをして完成です。(動画:1:45~)

動画の1:22でご覧になれる、ズラリと並ぶ完成した真っ赤な赤べこは圧巻です。

伝統工芸品・郷土玩具・民芸品の会津張り子・野沢民芸の取り扱い商品

会津張り子 赤べこの画像
画像引用 :vimeo screenshot

この動画で紹介されている野沢民芸では、さまざま商品を取り扱っています。
動画の0:02より紹介されている、震災の復興を願い新しく作った色鮮やかな民芸品の「願い玉」、ねずみ・猪(イノシシ)などの十二支(じゅうにし)の動物を模した「干支張り子」は首振り招福など、様々な種類が毎年販売されます。

2018年の戌年には「ざるかぶり犬」が人気となりました。
ニワトリの中にひよこ、ひよこの中に卵の入った「マトリョーシカ」、ウェディングドレスとタキシードに身をつつんだ新郎新婦の「起き上がり小法師(こぼし)」の「ウェディングこぼし」、「会津天神」、震災復興で作られた、転がしても転がしても小さなカラダで元気に立ち上がる起き上がる小法師(こぼし)「復興丸、福枡」、そして定番の「赤べこ・福べこ・千両べこ」、「お面」「おかめ」「ひょっとこ」などがあります。

これらの商品はamazon(アマゾン)や楽天のインターネット通販でも購入可能です。

赤べこ発祥の町の柳津では、街のあちらこちらで「赤べこ」を見ることができます。「憩いの館 ほっとinやないづ」の館内にある専用スペースでは絵付け体験ができます。あなたのオリジナルの赤べこを作ってみてはいかがですか。

伝統工芸品・郷土玩具・民芸品の会津張り子の紹介まとめ

日本に古くから伝わる伝統工芸品・郷土玩具・民芸品には職人のこだわりや、次世代に受け継いでいくための葛藤がありました。
こちらの動画からは、普段私たちがなかなか知ることのできない、職人の思いが詰まっています。

そして、長い間愛されている工芸品は職人の神業、手技、凄技によって作られていることが動画からもおわかりになったのではないでしょうか。
これからもずっと、これらの日本の伝統工芸品・郷土玩具・民芸品が途切れることなく受け継がれていきますように・・・。

【公式ホームページ】野沢民芸
http://www.nozawa-mingei.com/index.html

この記事を書いた人
最終更新日 : 2020年10月5日
日本
まえたけ(Maetake)
日本大好き!おすすめ動画を紹介していきます!
真っ赤な彩色が印象的な会津張り子の赤べこは400年の歴史ある民芸品。誰もが知っている福島県会津の工芸品には、職人のこだわりがたっぷりと詰まっていた!
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