忍者について

忍者とは

かつて戦国の時代より日本で活躍していたとされる忍者。
その活躍は小説や漫画、映画、アニメなどさまざまな形で語られています。
現在その人気は日本のみならず、「NINJA」として世界の国々に及ぶ程。

忍者とは一体どのような存在なのか

忍者は高い身体能力を活かして諜報活動・破壊活動・浸透戦術・謀術・暗殺などの仕事を行う存在。武将に仕えた者もいれば、独立して自らの仕事を行っていた者もいます。

忍び・乱破(らっぱ)・素破(すっぱ)・草・奪口(だっこう)・かまりと多くの呼び方があります。
女性の忍者はくノ一と呼ばれています。
くノ一にスポットライトが当てられた漫画やドラマ、ゲームも多く存在します。

忍者にはさまざまな流派が存在する

忍者を語る上で欠かせないのが流派の存在。
多くの方に知られている流派として、伊賀流・甲賀流が挙げられます。

・伊賀流
伊賀流は現在の三重県伊賀市と名張市に拠点を置き、さまざまな活動を行ったとされる流派。
日本で多くの方に知られている流派の一つです。
金銭上の関係を依頼主と結び、それ以上は干渉しないのが特徴的。
また、自由を求めての脱走や裏切りを許さない非情な面を持ち合わせています。
高い身体能力を活かした奇襲や、かく乱戦法を得意とします。
その他にも先達として数々の情報を集めていたことでも有名です。
伊賀流を代表する忍者として最も有名なのが服部半蔵。

・甲賀流
甲賀流は滋賀県甲賀市と湖南市に伝わる忍者の流派。
普段は農業や行商をしながら諜報活動を行い、時にはさまざまな工作活動を行っていたと言われています。
また、薬の扱いに長けている点も甲賀流の特徴。
万川集海(ばんせんしゅうかい)には甲賀流の忍者達が作り出した生薬に関する記述があります。
甲賀流忍者の生き残りの末裔は近江兄弟社などの製薬会社を設立しています。
甲賀流を語る上で欠かせないものの一つが多くの罠が仕掛けられた忍者屋敷。
相手を足止めする落とし穴や自分の身を隠すためのどんでん返しは忍者屋敷に仕掛けられた罠の一例です。

忍者が使用した武器の数々

忍者は体術だけでなく、さまざまな武器を使いこなすことでも知られています。
代表的なものとして、手裏剣・くない・忍刀・鎌・鉈・撒菱(まきびし)・五色米が挙げられます。

・手裏剣
手裏剣は投擲武器の一つ。
相手を攻撃するだけでなく、逃げるための手段に用いられていたとのこと。
手裏剣に毒を塗り、相手を仕留めていた忍者も存在します。
手裏剣の形状は多種に渡り、形状によっては殺傷力が高いとされています。
有名なのは車剣と呼ばれる手裏剣です。
その場にある物を投げつける乱定剣と呼ばれる技も手裏剣の一種。
その他にも包丁や小刀を投げる静定剣が存在します。

・くない
くないも忍者が扱う武器として有名です。両刃のナイフのような形状をしているのが特徴的。
相手を攻撃するだけでなく、地面や壁に穴を掘ったり、壁をよじ登るなど、さまざまな用途があります。

・忍刀
忍刀は忍者が用いた刀。
持ち運びやすさや機能性を重視しているのが特徴です。
刃渡りが短く、反りが少ない直刀に近い形状をしています。

・鎌
忍者は農民として行動していたことから、鎌の扱いにも長けていました。
鎖鎌や忍び鎌と呼ばれる武器を用いて相手を仕留めていたとのこと。
鎖鎌は鎌の頭端部に取り付けられた鎖分銅で相手の武器を叩き落としたり、相手の身動きを封じたりすることができます。
対して忍び鎌は敵を暗殺するため、柄(え)や仕込み杖に隠して用いられたとされています。

・鉈
鉈は木を削ったり、動物を解体する際に用いられる刃物。
忍者は鉈を斧のように使いこなしたと言われています。

・撒菱(まきびし)
撒菱は道にばら撒くことで相手を足止めしたり、ケガを負わせる武器。
鉄や木などが撒菱の材料に挙げられます。

・五色米
五色米は仲間との連絡に用いた米。赤・青・黄・黒・紫の5種類の米で暗号を作ります。米に色を付けるのは虫や鳥に食べられないようにするため。

忍者を語る上で欠かせない忍術について

忍者は多種多様な武器と同時に忍術を使いこなすことでも有名です。
忍術の種類も武器と同じく数多く存在します。

・五車の術
五車の術は相手の心理を突く忍術。
相手をおだてて隙を作らせたり、相手を怒らせて冷静な判断ができないようにして自分に有利な方向に持って行きます。
場合によっては相手を自分の味方に引き込みます。

・遁術(とんじゅつ)
遁術は相手の足止めを目的とした忍術。
煙幕で姿を眩ましたり、水音で相手の注意をそらしたりします。

・変装術
忍者はさまざまな姿に変装し、情報収集を行っていたと言われています。
忍者として活躍するために必要とされた技術のうちの一つです。忍者はさまざまな格好を着こなします。

忍者の世界を楽しめる観光スポット

忍者の世界を堪能できる観光スポットをいくつか紹介します。

・忍野しのびの里
忍野しのびの里は山梨県にある観光スポット。
忍者の衣装を着たり、手裏剣道場で手裏剣を体験することができます。
忍者ショーでは驚きのパフォーマンスの数々を堪能できます。
キッズ忍者体験では、手裏剣や吹き矢の修行が行えます。
修行を終えると修了書が送られます。

・伊勢忍者キングダム
伊勢忍者キングダムは三重県にある観光スポットです。
忍装束を着て忍者になりきるのをはじめ、67種類のアトラクションで思い切り身体を動かせます。
極めつけはリアルRPG。
物語の主人公になって伊勢忍者キングダムを旅して敵と戦ったり、謎を解いたりするイベントです。

・伊賀流忍者博物館
伊賀流忍者博物館は数多くの忍具が展示されており、忍者の歴史や生活を知ることができます。
からくり忍者屋敷にはさまざまな仕掛けが存在しているのが特徴。
忍者やくノ一がからくり忍者屋敷を案内してくれます。

忍者の世界は予想以上に奥が深い

忍者は数多くの方に愛されている存在。日本各地に忍者に関する逸話があり、どれも奥深いもの。
忍者を題材にした漫画やテレビドラマなど、より身近に忍者の世界に触れることができます。
日本に中々行けない方は創作物から忍者の世界を堪能するのも一つの選択肢。
日本を観光する際は忍者の魅力に触れられる場所を一度訪れてはいかがでしょうか?