東京都江戸川区「新井箒店」の箒作業工程動画紹介
こちらは「edocore4117」の制作した、江戸川区指定文化財に認定された日本伝統の箒(ほうき)職人・新井ほうき店の新井克己さんの江戸箒(江戸ほうき)の作業工程を紹介した動画です。
江戸から伝わる伝統工芸として新井克己さん自身は二代目になり、60年もの間この江戸箒を作り続けています。
現在、東京において、箒職人(ほうき職人)は、この新井克己さんと江戸箒老舗 白木屋傳兵衛の職人の二人しかおらず、数少ない江戸箒の伝統工芸文化を現代に伝える人物と言えます。
動画では黙々と作業する箒職人の新井克己さんが紹介されています。
その手仕事・職人技は目を見張るものがあります。
古くから受け継がれた伝統を守る職人の技を是非ご覧ください
江戸箒とは(江戸ほうきとは)
江戸箒の歴史・起源は古く、天保元年(1830年)創業の白木屋中村傳兵衛商店がホウキモロコシと呼ばれるイネ科の植物を原料に、江戸後期に作られたのが始まりと言われています。
江戸の江戸箒職人(江戸ほうき職人)たちはより軽く、しなやかに使いやすく改良していきました。
箒(ほうき)は屋外を履く「庭箒」と、屋内を掃く「座敷箒」の大きく2種類に分けられます。
昔の日本の暮らしでは、どちらの箒も一家に一本は必ずある必需品でした。
東京江戸川区周辺だけでも40、50軒も箒屋がありましたが、掃除機の普及や和室の減少により現在のように衰退していきました。
約200年と続く、歴史的伝統工芸の文化は新井克己さんのもとへと受け継がれています。
江戸箒の作り方は?作業工程は?
では、この動画もメインとなっている江戸箒の製作工程についてご紹介します。
まずは、材料となる国産のホウキモロコシをほうき職人が上草と並草に選別します。
この選別作業が仕上がりに大きく影響することから、非常に時間をかけて行われます。
その後はホウキモロコシを水につけ穂先を柔らかくします。
茎には麻の糸を巻き、皮穂を周りにキツく縛っていくという工程を踏みます。
まずは、選別したほうき草を一定の量で束ね、それを複数用意します。
それを串に通して固定し、編み上げます。
こちらは動画の0:21よりご覧になれます。
ほうき草は一本一本が太さ・風合いも異なるため、それらを職人が自らの手の感覚で選別して、このように編み上げていくのです。
動画を見ると一見簡単そうに見えるかもしれませんが、職人にしかできない作業なのです。
編み上げが終わると、長柄を付けてます。
こちらは動画の4:55よりご覧になれます。
外れることの無いようにしっかりと結び、時にはハンマーで叩きながら調整していきます。動画の5:54をご覧ください。
紐と針金の巻き付け作業は非常に力がいる工程だと映像からもわかります。
これら全ては江戸箒職人(江戸ほうき職人)の手作業で行い、串型と呼ばれる装飾も手編みで行います。
作業工程の全てで伝統工芸の文化を受け継ぐ匠の技が光ります。
江戸箒職人(江戸ほうき職人)としての考え
江戸箒の製作には体力が必要になり、大変な力仕事になります。
「江戸箒職人(江戸ほうき職人)」という立場について新井克己さんは「なかなか難しい。箒職人と言われているけど、自分じゃなかなか職人とは思っていない。」と考えているそうです。
箒(ほうき)にとって逆風の時代
写真:ルンバ
昭和40年代には電気掃除機が普及し始め、現在ではルンバなどの自動掃除機が登場しました。
これらは箒という伝統工芸文化においては非常に逆風な時代と言えます。
しかし、近年では江戸箒をギフトやプレゼント・海外へのお土産として贈られることも多く、江戸箒職人(江戸ほうき職人)の箒であることの商品価値が芸術品・美術品と言われるほど高まっています。
江戸箒職人(江戸ほうき職人)紹介まとめ
掃除機がある現代でわざわざ伝統工芸文化の江戸箒を使うメリットは何でしょうか。
それは、第一に静かであること。
第二に畳や隙間などの汚れに強いこと。
第三に江戸から続く文化を感じられることです。
伝統工芸でもあり、10年は使い続けることのできる江戸箒が見直されているのです。
この動画をご覧になって江戸箒が気になった方はamazon(アマゾン)や楽天などのインターネット通販でも購入可能となっていますので、お探しになられてはいかがでしょうか。
江戸長柄箒・おてがる箒・棕櫚箒(しゅろほうき)・不精箒などの種類があり、数千円から数万円の価格で取り扱っています。
皆さんも江戸文化から使わる伝統工芸「江戸箒」を使ってみてはいかがでしょうか。
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