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日本の伝統工芸螺鈿職人紹介動画

こちらの動画は「ニッポン手仕事図鑑」が公開した「螺鈿職人になる旅 / 武蔵川工房」です。

螺とは螺旋状の殻をもつ貝のことを指し、鈿とは金属や貝による飾りのことを指します。
アワビやヤコウガイ(夜光貝)シロチョウガイ(白蝶貝)クロチョウガイ(黒蝶貝)カワシンジュガイ(青貝)などの材料で幾何学模様を刻むという点で、螺鈿(らでん)は蒔絵や卵殻などとは異なります。
貝の厚さは0.4~1㎜で花鳥風月のデザインを刻むという点でも日本の伝統工芸らしさが際立ちます。
日本有数の伝統工芸螺鈿職人として最も有名な方が、動画で紹介されている武蔵川工房の親方である武蔵川剛嗣さんです。

螺鈿職人を育てた高岡漆器という日本の伝統

日本の伝統工芸である螺鈿職人を育てた歴史背景には、高岡漆器という日本の伝統工芸があります。
高岡漆器の特徴は町人文化のなかで日用品へ職人たちが技術を磨くため漆を塗り、それぞれの技法を乗せたという起源があります。
それらの匠の技として、象嵌という技法が挙げられます。
これは一つの材料に異質の原料をはめ込む種類の作り方で作られた美術品や工芸品を言います。

明治時代になると石瀬松次郎が青貝螺鈿加飾という伝統工芸漆器を始め、青貝塗という日本伝統文化を広めました。
やがて伝統工芸として螺鈿師という立場が確立され、武蔵川工房の武蔵川さんは国指定の伝統的工芸品の認定者となります。
螺鈿は光の加減によって様々な色に映るため、武蔵川工房では暑さを0.1mmまで削り加飾を行います。
高岡漆器独自のこの工程を踏むのが武蔵川工房様の特徴でもあります。
貝の輝きをいかに引き出し、コントロールできるかが伝統工芸を作る螺鈿職人の腕の見せ所であるとも言えます。

現代に活きる日本の伝統文化・螺鈿

現代においても螺鈿職人は様々な工夫を凝らして螺鈿の文化を進化させています。
ペーパーウェイトや帯留め、髪飾りや箸、時計やガラスに細工された螺鈿の作品は見ているだけでも楽しいものばかりです。
武蔵川工房でも皿や飾箱、茶器などへの螺鈿装飾を行ったものが多く制作されています。
動画では2:24よりご覧になることができます。
スマートフォンケースやスマートフォンリングといった現代の生活に即した螺鈿作品を作る螺鈿職人もいます。

日本の伝統文化螺鈿職人紹介まとめ

螺鈿職人は日本には数多くいますが、高岡漆器の歴史を組む武蔵川工房の螺鈿作品は他に類を見ない美しさを持っています。
ぜひ日本の富山県へ訪れた際には螺鈿にも触れてみてはいかがですか。

この記事を書いた人
最終更新日 : 2020年9月15日
日本
山本 孝(Takashi Yamamoto)
ライター歴7年目。旅行・グルメ・歴史の記事を執筆しています。
日本の伝統工芸を守る富山県高岡市の螺鈿職人に密着!色鮮やかな貝殻で作られた品はまるで芸術品のような美しさ!
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