製造は手作業で。広島県熊野町で作られる熊野筆
こちらの動画は「伝統工芸 青山スクエア」が公開した「手技TEWAZA「熊野筆」Japan Kumano Writing Brush/伝統工芸 青山スクエア Japan traditional crafts Aoyama Square」です。
書道や化粧筆など、日本の文化と切っても切り離せない筆。
熊野筆と聞いて美容に関心のある人はピンと来たかもしれませんね。
整った毛先が洗顔中の顔の毛穴の汚れをとり、きめこまやかな肌にしてくれると口コミが広がったのを覚えている人もいるのではないでしょうか。
また、チークブラシをセットにした商品「筆の心」も人気がありおすすめです。
広島県熊野町で作られる熊野筆の歴史
熊野筆は広島県安芸郡熊野町で生産される伝統工芸品です。
その昔、江戸時代に広島藩の産業奨励により筆作りを各地で学んだ若者たちがいました。
村に戻り、彼らが村民に筆の作り方を伝えたのが熊野筆の始まりです。
現在、町ではおよそ2,500名の方が手作業で熊野筆の生産に携わり、20名の伝統工芸士がいます。
熊野筆の歴史は挑戦の連続だったといっても過言ではありません。
戦後、日本各地の筆の生産地が筆作りをやめていくなか、熊野町は筆作りの技術を応用して、画筆や面相筆など、書筆以外の筆作りに取り組みました。
昭和30年代には、化粧品メーカーが化粧道具としての筆に着目し、熊野筆に白羽の矢があたります。
熊野筆で作られたファンデーションブラシはその品質の高さから国内外で評判に。
その成果や取り組みが認められ、昭和50年(1975年)には国の伝統的工芸品に指定されるにいたりました。
熊野筆の文化が受け継がれる企業
筆作りの文化が育まれた熊野町には、伝統工芸品として熊野筆を代表する企業「白鳳堂」があります。
白鳳堂は本社を熊野町に置いていますが、世界中からの観光客が訪れる京都にも店舗を構え、筆の文化を国内外に発信しています。
白鳳堂で取り扱っている化粧筆はギフトラッピングや名入れも可能で、プレゼントにもおすすめ。
そしてもうひとつ有名な筆工房に「竹宝堂」があります。
ファンデーションブラシをはじめとする化粧筆を専門に扱い、世界でもトップの化粧筆メーカーとして高い評価を得ている企業です。
熊野筆職人後継者問題への挑戦
熊野町で生産される熊野筆は、全国で生産される筆の8割を占めています。
しかし、ほかの伝統工芸と同じように、後継者への文化継承問題は熊野筆も例外ではありません。
筆作りの担い手を確保することが課題となっています。
というのも、交通網の発達から町の外へ働きに出る若者が増えたことや、筆作りには長く根気のいる手作業をするため、若者がやりたがらなくなったため。
このため、町や協同組合が熊野筆のPRや産業振興に尽力。
手作りの筆の良さに理解を示す人が着実に増えつつあります。
熊野筆紹介まとめ
動画では熊野筆がどのように作られるか紹介されています。
その職人技をとくとご覧ください。
伝統工芸である熊野筆を通して、日本の文化に思いを馳せてみるのもいいのではないでしょうか。
1 コメント