やさしい日本語について

やさしい日本語とは

やさしい日本語とは、日本語に不慣れな外国人にも伝わるような、簡単な表現を使った日本語のことを指します。

1995年の阪神・淡路大震災では、日本にいた多くの外国人も被災しました。その中には、日本語が十分にわからず、必要な情報を受け取ることができない人がいたのです。その後、震災の教訓をいかし、できるだけ早く正確な情報を外国人に伝えるために、やさしい日本語が活用され始めました。

現在、多くの外国人が日本に住んでいます。やさしい日本語は、日々の生活の中でのコミュニケーションの手段として活用されています。現在、公共サービスの案内など、生活に密着した情報をやさしい日本語で発信する自治体も増えています。

外国人が日本語を難しいと感じるのはなぜ?

日本語は外国人にとって、難しい言語といわれています。では、日本語のどんなところを難しいと感じているのでしょうか。

● 文字の種類が多い(ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット)
● 漢字の読み方が複数ある(音読み、訓読み、固有名詞など特殊な読み)
● 似ている表現が多い
● 省略される言葉が多い(主語、目的語など)
● オノマトペが多い(擬音語、擬態語)
● 外来語(カタカナ語、和製英語)が多い
● 日本人特有の文化に由来する言い回しが分かりにくい(二重否定、謙譲語)

ほかにも、文法、語順、発音、敬語、方言など難しく感じる原因はたくさんありそうです。

【難しいと感じる日本語】文字の種類の多さ、音読み・訓読み

外国人が日本語を難しいと感じる理由のひとつが、文字の種類の多さです。日常、目にする日本語の文章には、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字が使われています。
ひらがなだけでも英語のアルファベットの2倍以上!

さらに、漢字には音読み、訓読みがあり、ひとつの漢字にいくつもの読み方があります。

【例文】
明日、三月三日、日曜日の期日までに返事をする。
あした、さんがつみっか、にちようびのきじつまでにへんじをする。

よく使われる漢字「日」ですが、上記の文の中だけでも、5つの読み方があります。

【難しいと感じる日本語】複数の使い方や似ている表現が多い

また、日本語には、ひとつで複数の意味をもつ言葉があります。

例えば、「適当」という言葉は、
● 適当なタイミングで声をかける。・・・ちょうどいい、という意味
● 忙しかったので、適当な返事をした。・・・投げやり、無責任な、という意味
使い方によって、いい意味にも悪い意味にもなります。

似ている表現の言葉も多く、「聞いてください」と「来てください」、「座って」と「触って」など、一文字言い間違えると誤解が生まれてしまう言葉もあります。

【難しいと感じる日本語】主語などが省略されている

日本語の会話では、主語や目的語がよく省略されます。

次の会話の()の中の言葉は、省略される言葉です。
A「(あなたは)何がしたい?」
B「(私は)サイクリングに行きたい。」
A「(私は)(自転車に)乗れないから、(サイクリングに)行けない。」
B「それは、残念だ。」

文脈から主語と目的語を推測しながら会話をすることは、難しいですね。

日本語の学び方は?

日本語がうまくなりたい、上達したい方に、おすすめの学び方を3つご紹介します。

1.映画・ドラマ・情報番組などの動画を活用する
日本語を聞き慣れることに役立ちます。また、日本の文化を知ることで、どんな場面でどんな言葉が使われるのか、より日本語への理解が深まります。

2.マンガや小説などの本を読む
文字を覚えることに役立ちます。マンガの会話形式の物語を読むことで主語、目的語の省略にも慣れるでしょう。

3.日本人または日本語を話す人と交流
お互いの表情を見ながら会話をすると、文字だけでは読み取れないニュアンスなども感じることができます。

日本の文化や習慣がわかる!役立つ「やさしい日本語記事」で学ぼう

COOL JAPAN VIDEOSの【やさしい日本語】の記事は、母国語が英語のアメリカ人スタッフが制作しています。
来日後、自らの経験から学んだ日本特有のマナーやルールなどの情報を、やさしい日本語で紹介しています。ぜひご覧いただき、より日本を知り楽しむためにお役立てください。