茶筅茄子の煮浸しをプロの料理人が解説する動画を紹介
熊本で料理人をされている出口博幸さんが調理の技術などを発信されている『和食の技術チャンネル』。今回は、茶筅(ちゃせん)茄子の切り方をわかりやすく紹介されている『【茄子レシピ】茶筅茄子 作り方 一例』という動画を紹介します。
茶筅茄子とは、茄子の飾り切りの中でも一般的なもので、茄子を茶せん型に仕上げるもので、煮浸しや揚げ浸しなどの和食によく使われています。
茶筅茄子の作り方は、さまざまなサイトで紹介されていますが、この動画では現役の料理人が、小茄子の選び方から切り方、味付けまで丁寧に解説しています。他のサイトでは、なかなかわかりにくいという方も、作り方のコツがきっとつかめるはず。まずは動画をご覧ください。
新鮮な茄子の選び方
写真:茄子
今回の動画では、小茄子を使っています。新鮮な小茄子を見極めるために、まずはヘタの先端の切り口の色をチェック。色が黒ずんでいるものは鮮度が落ちています。また、鮮度が良いものは、ヘタのとげがチクチクと痛いものや、表面がつるつるで皮が張っているのが特徴。購入する際には、その点をチェックし選ぶようにしましょう。
【動画】0:09~ 新鮮な茄子の選び方
茄子の下ごしらえ
写真:茄子を切っている様子
次は下ごしらえです。小茄子のトゲの部分を包丁でこそぐように取り、ヘタの先端を切り落とします。次にガクの部分を切り落とすのですが、包丁の刃を当てて、小茄子を軽く回していくとガクが簡単に切り取れます。この部分は動画がとてもわかりやすいです。ぜひご覧ください。
【動画】0:46~ 茄子の下ごしらえ
茶筅茄子にするための飾り切り
下ごしらえが済んだら、茄子に切れ目を入れていきます。茄子のお尻の中心に向けて、できるだけ幅は細かく、茄子を回しながら切れ目を包丁で入れていきましょう。少し深めに入れても大丈夫です。切り終わると、茄子のお尻の部分とヘタの部分だけが繋がっているようになります。
【動画】1:46~ 茶筅茄子の飾り切り
茄子を油で揚げる
次に準備をした茄子を180度の油で揚げていきます。ゆっくり、しっかりと火を通すことがポイント。時間としてはおよそ2分。油から上げてみて、串が真ん中までスッと通れば揚げあがりです。油をしっかり切っておきましょう。
茄子を割下で炊き上げ冷ませば完成
写真:割下
揚げあがった茄子を下記の割合の割下で炊き上げていきます。
●割下の比率● 出汁5:醤油:1みりん:1 砂糖:少々
1分ほど炊いたら、クッキングペーパーで落しブタをして約30分ほど冷まし、味をしみこませます。
最後に茄子を取り出し、ヘタの部分を持って、押し付けるようにねじることで、ちゃせんのような形に。これを盛り付けて、出汁をかければ茶筅茄子の完成です。
天ぷらに最適な飾り切りを紹介
動画では、小茄子のもうひとつの飾り切りも紹介しています。小茄子を半分に切り、包丁の先を使い、ヘタの下部分を扇形に細かめに切ります。最後に上からポンポンと押すと、切り目が斜めになり美しい形に。
【動画】2:56~ 天ぷらに最適な美しい飾り切り
茄子にはたくさんの種類があります
写真:様々な種類の茄子
夏野菜として知られている茄子ですが、一方で「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざも。4月下旬から食べられる品種もありますが、一般的には初夏から初秋にかけて茄子の旬といわれています。そんな茄子には実はたくさんの種類があることはご存じですか?
まず動画で紹介した小茄子。小茄子とは、長さ8cmほどで重さ30gほどの茄子の総称です。小茄子の品種としては、民田なす(山形県)や薄皮丸小なす(山形県)、梵天丸茄子、出羽小なす、もぎなす(京都府)が有名です。小茄子は茶筅茄子だけではなく、そのまま漬物として利用されることも多く、山形県の名物からし漬けはごはんのお供にもぴったり。
小茄子以外にも様々な種類があります。スーパーなどでよく見かけるのが長ナスと呼ばれる種類は、柔らかい肉質のため麻婆茄子などに向いています。また、丸い形をしている丸茄子や米ナスは、肉質がしまっているので味噌田楽などがおすすめ。
また、特産品として有名なもののひとつが大阪南部で栽培されている水なす。皮が薄く柔らかく、生で食べても甘く瑞々しい茄子です。その他にも、青茄子という表面が緑色の茄子や、白茄子という真っ白な茄子も。
茶筅茄子のまとめ
茶筅茄子のレシピの中には、耐熱容器やめんつゆを使いレンジで仕上げる時短の茶筅茄子も。とても簡単なので、時間がないときにはとても便利ですね。
ですが、ひと手間加えてプロの味を再現して違いを比べてみてもいいかもしれません。目でも楽しめる飾り切りにもぜひ挑戦してみてください。基本的な茶筅茄子作りをきっかけに、日本料理に興味を持っていただけると嬉しいです。
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