東京都日野市と新選組の歴史

東京都日野市は、新選組ゆかりの地として知られ、今もなおその歴史や文化が息づく街です。江戸時代から続く神社仏閣や、着物体験、武道演武、祭りなどを通じて、江戸幕府末期の激動の歴史と文化に触れることができます。本記事では、日野市の観光、体験、歴史に関する魅力をご紹介します。

新選組（しんせんぐみ）とは、江戸時代末期（幕末）に京都を拠点に活動した武装警察組織で、主に尊皇攘夷派の志士たちを取り締まる役割を担っていました。
※尊皇攘夷（そんのうじょうい）とは、「天皇を敬い、外国勢力を日本から排除する」という思想で、幕末の政治的スローガンの一つです。

新選組とは

写真：障子越しの侍のイメージ画像

1863年、江戸幕府の命を受けて上洛した浪士たちにより結成され、局長・近藤勇、副長・土方歳三らが中心となって活躍しました。剣術に秀でた彼らは、「誠」の旗印のもと治安維持と幕府の護持に尽力しました。

彼らの本拠地は京都でしたが、多くの隊士は現在の東京都日野市や調布市など多摩地域の出身で、日野は“新選組のふるさと”と呼ばれています。市内には、彼らの足跡をたどる史跡や資料館が数多く残されており、侍の歴史に触れる貴重な場所となっています。

史跡と伝統に出会う「新選組の足跡めぐり」

土方歳三資料館
新選組副長・土方歳三の生家を利用した私設資料館で、彼の遺品や新選組に関する資料が展示されています。開館日は第1・第3日曜日の12:00～16:00ですが、特別開館日などもあるため、詳細は公式サイトをご確認ください。
【公式サイト】土方歳三資料館

写真：東京都日野市・土方歳三資料館

日野宿本陣
江戸時代に建てられた本陣で、日野宿の問屋と名主を務めた佐藤彦五郎の住居兼本陣として使われていました。開館時間は9:30～17:00（最終入館16:30）、入館料は大人200円、小人50円です。
【公式サイト】日野市 - 日野宿本陣

写真：東京都日野市 ・日野宿本陣

高幡不動尊：土方歳三ゆかりの歴史ある名刹

写真：東京都日野市・高幡不動尊の新選組「土方歳三像 」

東京都日野市にある高幡不動尊（正式名称：高幡山明王院金剛寺）は、真言宗智山派の別格本山として知られ、関東三大不動の一つにも数えられる歴史ある寺院です。そしてここは、新選組副長・土方歳三の菩提寺としても広く知られ、幕末ファンにとって特別な場所となっています。

境内には、土方歳三の銅像や、近藤勇とともにその功績を讃える「殉節両雄之碑」が建立されており、静かな空間に彼らの志が今も息づいています。また、大日堂には歳三の位牌や新選組隊士慰霊の大位牌が安置されており、奥殿では彼の書簡や新選組に関する貴重な史料が展示されています。

毎年5月11日には土方歳三の命日にちなみ法要が営まれてきましたが、2025年は墓所である石田寺にて、「土方歳三資料館友の会」主催による墓前供養が5月10日に行われました。さらに、命日にあわせて開催される「ひの新選組まつり」は、5月第2土・日曜日を中心に市内で盛大に催され、多くの新選組ファンや歴史愛好者が日野を訪れます。

土方歳三の足跡をたどりながら、侍の精神と歴史の重みを肌で感じられる高幡不動尊は、日野市を代表する必訪スポットのひとつです。

体験を通じて感じる「新選組文化」

ひの新選組まつり
5月第2土・日曜日に行われる「ひの新選組まつり」は、新選組隊士に扮したパレードや武道演武、太鼓演奏などが行われ、地元の人々と観光客が一体となって盛り上がるイベントです。開催情報などの詳細な情報は、日野市公式サイトで最新情報をご確認ください。
【公式サイト】日野市観光協会 - ひの新選組まつり

新選組隊士になりきる！歴史館でコスプレ体験

日野市内にある新選組のふるさと歴史館では、新選組隊士の羽織を着用して写真撮影ができるコスプレ体験が人気です。館内には隊士たちの肖像や資料が展示されており、歴史を学びながら、実際に新選組の一員になったような気分を味わえます。

「誠」の文字が入った羽織を身にまとい、資料館や市内の史跡を巡ることで、より深く幕末の時代に入り込める貴重な体験となるでしょう。
【公式サイト】日野市新選組のふるさと歴史館

日野市へのアクセス

アクセス方法
JR中央線「日野駅」から主要な観光スポットへ徒歩でアクセス可能です。新宿駅から日野駅までは中央線快速で約40分。京王線「高幡不動駅」からもバスでのアクセスが可能です。

まとめ

日野市は、新選組の歴史と侍文化が今も息づく街です。歴史的な史跡や体験型観光が豊富で、訪れる人々に新たな発見と感動を提供してくれます。ぜひ日野市を訪れ、侍文化と歴史を肌で感じてみてください。なお、記載された情報は2025年5月時点のものであり、最新情報は各施設の公式サイトをご確認ください。