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硫黄島の戦跡を紹介する動画について

こちらの動画は「時事通信トレンドニュース」が制作した「硫黄島の戦跡を巡る=灼熱の地下壕、集団埋葬地」です。

第二次世界大戦は日本に数多くの傷跡を残しました。
しかし、戦後多くの史実が捻じ曲げられて伝えられることもあり、未だ太平洋戦争のそして旧日本軍の本当の姿を知らない方も多くいます。
硫黄島に残された痛ましい戦跡もその一つ…。

昭和の頃は日本唯一の本土決戦の地は沖縄だと教えられてきました。
しかし、沖縄よりも前に激しい陸戦が行われたのが太平洋に位置する小笠原諸島の周囲12kmしかない小さな硫黄島でした。
この硫黄島には戦前は多くの民間人が住んでいましたが、戦争によって硫黄島は稀に見る激戦地となり、本土引き上げが間に合わなかった民間人と栗林忠道中将を中心とする守備隊の多くは戦死したのです。
渡辺謙、嵐の二宮和也が出演した映画「硫黄島からの手紙」は硫黄島の激戦を伝える数少ない映画の一つです。
こちらの記事では現在の硫黄島を紹介している動画に沿って、硫黄島の歴史を紹介します。

硫黄島とは?硫黄島上陸計画は日本本土攻略の要石だった?

硫黄島の画像
写真:硫黄島

硫黄島とは東京都小笠原村の一つ。
東京23区内からはおよそ1,200kmに位置する小さな火山列島で今も噴火を繰り返しています。

動画の冒頭0:06からは硫黄島の北部にある米軍が制作した壁画をご覧になれます。
硫黄島に上陸した海兵隊員が擂鉢山に星条旗立てる有名な場面がモチーフとされていますが、この人達だけがヒーロー扱いされていたことに憤慨しこの壁画に米軍が銃弾を撃ち込んだそうです。

動画では戦跡として、動画の1:45からは被弾して抉れた(えぐれた)砲身を晒すアームストロング砲や不発弾、動画の3:33からは米軍が廃棄したシャーマン戦車の残骸など生々しい戦跡が映し出されています。

硫黄島の地下壕の画像
画像引用 :YouTube screenshot

アメリカ軍による硫黄島上陸計画はデタッチメント作戦と呼ばれました。
開戦当初から日本軍と連合国軍の兵力は歴然とした差がありました。
これに対し、旧日本軍は動画の1:16からご覧になれるような地下壕に潜伏し、ゲリラ戦法で戦力差を補いつつ戦いました。
しかし、活火山である硫黄島の地熱は高く、地下壕は灼熱地獄の様相を呈していたと言われています。
動画でも0:40頃から病院として使われていた戦跡の一つ、海軍医務科壕の奥に入ると地下熱でカメラのレンズが一瞬で曇ることからも、いかに過酷な状態であったのかが伺えます。

また海底火山から出る有毒ガスが突撃壕に充満し、危険な状態での防衛戦術だったと伝えられています。
旧日本軍はアメリカ軍と硫黄島の自然環境の二重の苦難にさらされながら、3日でケリがつくといわれていた硫黄島の戦いを約1ヶ月も粘り抜いたのです。
これだけの時間を硫黄島に費やしたことは、アメリカ軍にとって硫黄島が日本本土攻略においての重要拠点であったかということを物語っています。

今に残る硫黄島の戦跡を巡る見学会

硫黄島の画像
写真:硫黄島

現在は観光で一般人が硫黄島を訪れることはできませんが、年に1度だけ硫黄島3島の戦跡を巡る見学会が催行されています。

公開されているのは集団埋葬地、戦後米国のプロパガンダに使われ生き残りの米兵が銃弾を打ち込んだと言われている壁画、大阪山砲台、遺骨収容場などの戦跡です。
それ以外の時期は海上自衛隊が駐屯し、訓練と遺骨収集を行っているので立ち入り禁止区域になっています。

硫黄島の戦跡を紹介する動画のまとめ

硫黄島の画像
画像引用 :YouTube screenshot

戦後日本はアメリカ軍の統治下におかれ、自治を回復するまで硫黄島は日本人が足を踏み入れることのできない戦跡になりました。
生き残った島民は故郷を追われ、全国に散り散りになり今も硫黄島には年に1回しか帰省することができません。

動画の2:14からご覧になれるようにアメリカが公開した公式文書には2,000名の遺骨が遺骨収容場所に埋葬したと記載されていますが、未だ60%以上の戦没者が硫黄島に眠っているのです。

戦争という悲劇を繰り返さないために、現在も残る傷跡から日本の歴史を学んでください。

【トリップアドバイザー】硫黄島
https://www.tripadvisor.jp/Tourism-g1137885-Iwo_Jima_Tokyo_Prefecture_Kanto-Vacations.html

この記事を書いた人
最終更新日 : 2020年9月16日
日本
児玉 勇(Yu Kodama)
日本と焼き鳥をこよなく愛するライター

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戦後75年の今でも戦争の傷跡が多く残る東京都の「硫黄島」。太平洋戦争の激戦地は当時の悲惨な状況を現在に伝える。
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