ラーメンとは
ラーメンとは主に中華麺とスープに様々な具(チャーシュー・メンマ・味付け玉子・刻み葱・海苔など)を組み合わせた比較的簡単な調理方法の麺料理です。
呼び方だけでも様々な種類があり、まず漢字表記だけでも『拉麺・老麺・柳麺』があり、中華そば、支那そばや南京そばなどとも呼ばれています。
ラーメンは新横浜ラーメン博物館「日本ラーメンの歴史」によれば、江戸時代末に開港した横浜・神戸・長崎・函館に多くの外国人が移り込んだことがキッカケとして日本に流入した、中国の麺料理がルーツとなっています。
ラーメンの歴史
1910年、東京の浅草に初めての日本人経営者である”尾崎貫一”が横浜中華街から招いた中国人の料理人12名を雇って中華料理店『来々軒』を開店しました。
その来々軒の主力メニューこそがラーメンであり、この1910年が日本初のラーメンが誕生した”ラーメン元年”とされています。
この来々軒が成功したことにより中華料理店の人気が爆発、中華料理店が続々と開店し、ラーメン屋台も登場しました。
店が増えれば増えるほど、特色を出そうとラーメンのレシピにアレンジが加えられていくこととなりました。
現在では、素材の味で勝負をする無化調ラーメン、インパクト重視の家系ラーメンやラーメン二郎等の多種多様なラーメンが続々と登場し、今では国民的料理として人気を博しています。
中華料理店のみならず、ラーメン専門店やレストランに屋台等の色んなお店でラーメンが提供されることとなりました。
湯を注ぐだけでいつでもどこでもラーメンを楽しむことが出来る即席インスタント食品の”インスタントラーメン”にインスタントラーメンをそのまま容器に入れた”カップ麺”もあります。
これらの安藤百福が発明した即席麺やカップ麺は、日本の料理として世界各地に輸出されるほどの人気を誇っています。
多様なラーメンの種類~スープによる分類~
ラーメンにとって麺と同じくらい重要となっているのがスープであり、このスープを変えることで、全く異なる味わいを楽しむことが出来ます。
1.醤油ラーメン
日本のラーメンの基本ともなるのがこの醤油味のスープを使用したラーメン。
基本的にはすっきりとした味わいが特徴ですが、濃厚なものも中にはあり、古くから親しまれるスタンダードなラーメンの味となっています。
2.塩ラーメン
塩味ベースのスープからなるラーメン。
醤油よりも更にあっさりとした味わいが特徴です。
3.味噌ラーメン
みそ味ベースのスープからなるラーメン。
味噌の深いコクが特徴的なラーメンで、塩ラーメンとは打って変わって濃厚なのが魅力とされています。
4.担担麺
ラー油と芝麻醤(チーマージャン)の風味を効かせたスープが特徴のラーメン。
他のラーメンより辛さを効かせているラーメンとなっています。
多様なラーメンの種類~出汁による分類~
タレだけでなく、出汁の種類によっても分類わけされることこそがラーメンの奥深さの所以とされています。
ここでは、そんな出汁によって違うラーメンの種類を順番に紹介していきます。
1.白湯(パイタン)
白濁した色が特徴で、主に動物や魚の骨に野菜を加えて強火で中時間煮込むことで出来る出汁で、非常に濃厚な味と風味があります。
この白湯出汁にも種類があり、豚を強火で煮込むことで出汁中に骨髄内の脂質とコラーゲンが溶けだして濃厚な味わいを演出する”豚白湯(ブタパイタン)”、鶏ガラや胸肉等を強火で中時間煮込むことで豚白湯よりもサラっとした味わいの”鶏白湯(トリパイタン)”があります。
2.清湯(チンタン)
白湯とは打って変わって濁りがない透き通ったスープが特徴の出汁。
沸騰寸前の温度以下で仕込むことにより、濁らずにすっきりとした風味と味わいを作り出すことが出来ます。
3.豚骨
豚骨をベースとして、野菜類や他の素材を組み合わせることで出来る濃厚な味わいの出汁。
4.鶏ガラ出汁
鶏ガラや煮干し、野菜を煮出しして作る出汁。
醤油・塩・味噌のあらゆるタレと組み合わせても美味しい万能な出汁です。
他にも、鶏ガラと豚ゲンコツに野菜や魚介、時には果物などを組み合わせた”鶏ガラ豚ゲンコツ混合出汁”もあります。
他にも、一部地域で用いられている”牛出汁”に魚介独特の風味を醸し出す”魚介出汁”、そして一風変わった”カレー出汁”も存在します。
多様なラーメンの種類~具による分類~
具の内容によって分類されているラーメンを紹介します。
1.チャーシュー麺
その名の通りチャーシューをこれでもかとトッピングしてあるラーメンで、ボリュームが人気の秘訣となっています。
2.ワンタン麺
その名の通りワンタンを具として使用しているラーメンです。
ワンタンとの組み合わせは、また違った味を演出します。
3.広東麺(カントンメン)
中華あんかけを具として用いたラーメンです。
4.五目麺(ごもくそば)
肉・野菜・魚介・玉子等の複数の具材を用いたラーメンで、主に関東で多く展開をされています。
5.天津麺(てんしんめん)
カニ玉を具に用いている一風変わったラーメンで、塩味・集湯味のラーメンにとろみ餡がとてもよく合います。
6.パーコー麺
揚げたばら肉、又はそれに衣を着けて揚げたものを乗せたラーメンです。
店によっては煮込んだスペアリブを乗せたものもあります。
7.チャンポン麺
肉・野菜炒めを玉子でとじたものを具材とするラーメンです。
8. タンメン
麺の上に炒めた肉野菜をたっぷりのせます。
多様なラーメンの種類~ご当地による分類~
独自性の強いご当地ラーメンをいくつか紹介をしていきます。
1.仙台ラーメン
宮城県仙台市周辺で食されているラーメンで、仙台の特産品である味噌をベースとしたラーメンが多いことが特徴して挙げられます。
2.喜多方ラーメン
福島県喜多方市発祥のご当地ラーメンで、札幌ラーメン・博多ラーメンと並んで日本三大ラーメンの一つに数えられています。
特徴は醤油味の透明な豚骨スープで、あっさりとした味わいで具もシンプルなものが多く、古き良き懐かしいラーメンとしての味を楽しむことが出来ます。
3.郡山ブラック
福島県郡山市発祥のラーメンで、醤油ベースのラーメンですが、他店より色が濃く、黒いことが特徴となっています。
見た目とは違うまろやかな味わいが人気を博しています。
4.スタミナラーメン
茨城・埼玉県のご当地ラーメンで、茨城はレバーやキャベツベースの甘辛い餡が特徴で、埼玉は醤油ラーメンに豚の挽肉やニラ、ニンニクと生姜や醤油に豆板醤で味付けをした絡みの餡を乗せるのが特徴となっています。
5.佐野ラーメン
栃木県佐野市のご当地ラーメンで、竹を使って打つ平麺が特徴です。
スープも醤油や鶏ガラ、豚骨と、店によってかなり味に差異があります。
6.勝浦タンタンメン
千葉県勝浦市で食されている担担麺のご当地ラーメンで、醤油ベースのスープにラー油がふんだんに使われたラー油系担担麺とされています。
7.八王子ラーメン
東京都八王子市のご当地ラーメンで、醤油ラーメンに一般的なトッピングをする他に、刻み玉葱を一緒に乗せることが特徴となっています。
8.家系ラーメン
1974年以降に登場した神奈川県横浜市発祥の豚骨醤油ベースのスープに太いストレート麺を組み合わせているのが特徴です。
全国にも多くのチェーン店があるラーメンの種類の一つです。
9.富山ブラック
富山県富山市発祥のご当地ラーメンで、肉体労働や運動後の塩分補給を考えて、醤油ベースの濃い味となっているのが特徴となっています。
10.高山ラーメン
岐阜県高山市で食べられているご当地ラーメンで、最近では大人気アニメ映画「君の名は」で主人公が食べていたことで人気となった鶏ガラベースのあっさり醤油ラーメンです。
11.京都ラーメン
京都府京都市発祥のご当地ラーメンで、こってり濃厚なスープが特徴となっています。
ご飯と食べることが前提のラーメンです。
12.尾道ラーメン
広島県備後地方のご当地ラーメンで、醤油ベースのスープに平打ち麺、トッピングに豚の背油のミンチを乗せたのが特徴となっているラーメンです。
13.博多ラーメン
福岡県福岡市で作られている日本三大ラーメンの一つとされているご当地ラーメンで、豚骨スープとストレートの細麺がベースとなっています。
14.沖縄そば
中華麺に由来する製法の面を使用した沖縄県の郷土料理です。
そばとは言っても蕎麦粉は使っておらず、他のラーメン
日本で人気のラーメン
現在ではラーメンのみならず、そこから派生をしたつけ麺や油そば、ちゃんぽんなんかも非常に人気な料理として日本で受け入れられています。
今ではラーメン店に足を運ばずとも、通販や取り寄せ(テイクアウト)、更にはカップラーメンとして気軽に食べることが出来るラーメンは、日本を代表するグルメと言っても過言ではありません。