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日本にわずか数名!武士が大切にした甲冑を守る現代の職人・甲冑師の紹介動画

こちらは「ANA Global Channel」が公開した甲冑師・三浦公法さんへのインタビュー動画「Japanese armor maker/Interview - IS JAPAN COOL? CRAFTSMANSHIP(甲冑師)」です。

現代に受け継がれる芸術品としての甲冑の歴史

かつて武士が合戦で身につけた甲冑。現代では工芸品としての性格が高く、日本刀と並んで国内外のコレクターから人気を集めています。
武士が作り上げてきた甲冑という伝統文化と歴史を受け継ぐのは、今では数名の甲冑師のみとなりました。

甲冑師の仕事とは

現代の甲冑師は歴史的な鎧や兜を修理・製作したり、鎧細工を施したりすることが主な仕事となっています。
そんな匠の技を継承する甲冑師のひとり、三浦公法さんは無形文化財としても認定された職人です。
国宝の復元や、江戸時代に徳川家康から英国ジェームズ一世に贈られた甲冑の修理復元を行うなど、歴史的価値のある作品を手掛けてきました。

新作の甲冑を作る場合、平安時代や鎌倉時代に作られた甲冑をもとに製作します。
すべて手作業なので、納品までに非常に時間がかかり、早くても3年、長くて5年の年月が必要だといわれています。 しかも甲冑に設計図はありません。
鎧細工に使う素材は自ら探し、加工を行うため、匠の技が試させられるのです。

甲冑師は歴史上、戦国時代には「具足師(ぐそくし)」と呼ばれていました。
平安時代には、武士の成立を背景として大鎧が主たる甲冑でありましたが、戦国時代になると、鉄砲の登場を背景に機動性に優れた甲冑である「当世具足(とうせいぐそく)」が誕生しました。
一方で、戦国武将は甲冑に個性あふれるデザインを施し、その奇抜さや迫力を戦場で競い合ったのです。

甲冑師と後継者問題

伝統工芸品の世界で問題になるのが後継者問題。
職人の世界といえば所作の指導や厳しい修行があるため長続きしない人も少なくありません。
しかし中には、日本文化に興味をもって海外から弟子入りする人も増えています。
甲冑師・三浦さんの弟子アンドリューさんもアメリカからやってきました。

端午の節句・五月人形に受け継がれた甲冑の伝統文化

美術品として扱われる甲冑。
現代の私たちが最も身近に見られるのが端午の節句の五月人形です。

その歴史は武士社会の成立にさかのぼります。
端午の節句自体は奈良時代からあったようですが、甲冑を飾る習慣は武士の治世となった江戸時代に端を発します。

武士にとって端午の節句は重要な行事。
この季節に盛りを迎える菖蒲が「尚武(部を重んじる意味)」に繋がることから、邪気を祓い健康を保つと考えられてきました。

このことから男子の健康、ひいては一族の繁栄を願い、武家の家では端午の節句に神社に甲冑を奉納していたのです。
甲冑は武士にとって戦いから身を守る防具という意味だけではなく、病などの災いからも守ってくれるものだったからなのですね。

さて、この五月人形の製作も甲冑師の仕事です。
職人の作風もさまざまですが、五月人形で有名な甲冑師としては、一久、雄山、辰広、龍玉がいます。
有名な流派としては明珍派、春田派があります。

端午の節句には、どんな人形が飾られているか目を向けてみるのもいいですね。

甲冑師の紹介まとめ

戦国時代が好きな人であれば実際に触れたくなるのが甲冑です。
都内には甲冑試着体験を行っているところもあります。
興味のある人は甲冑を身に付けて、当時の武士になりきってみてはいかがでしょうか。

芸術品としての甲冑の価値は高く人気を誇ります。
動画を通じて、甲冑の歴史の奥深さを味わってみてくださいね!

この記事を書いた人
最終更新日 : 2020年9月15日
日本
吉田 セツ(Setsu Yoshida)
教育系の会社を務めた後地方へUターンし複業ライターへ。
侍を現代に蘇らせる甲冑師の職人技をとくとご覧あれ!歴史ある伝統工芸品を守る職人のこだわり、そして抱えている問題とは何か?
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