1000年以上も続く伝統文化「刀鍛冶」
こちらの動画は「redbowkk9600」が公開した、兵庫県篠山市で日本刀の制作している藤井啓介さんが日本刀を鍛錬する様子を収めた「日本刀鍛錬 katana making(1)」だ。
古くは約1000年前の平安時代から使われてきた日本固有の武器「日本刀」。
世界的にも有名なこの武器は、切ることに特化しており、その性能は他の武器の追随を許さないほどだ。
現代の平和な日本において日本刀が武器として使われることはない。
しかし日本刀には、武器としての性能以上に伝統工芸品としての美しさがある。
刀鍛冶の職人が作った日本刀は、まさに芸術品だ。
伝統工芸品である日本刀を作る職人(刀匠)は、減少傾向にある。
これは日本刀自体が高価で需要が少ないこともあるが、刀鍛冶としての技術を継承することが非常に難しいことが主な原因だ。
刀鍛冶になり、日本伝統の継承者になろうと思っても最低5年の修行期間を経て、やっと本格的な日本刀の鍛錬ができるようになる。
鋭い切れ味と強靱な刀身を実現する日本刀の原料とは?
日本刀が他の刃物と大きく違う点は原材料にある。
伝統工芸品である日本刀は「玉鋼(たまはがね)」と呼ばれる良質な鋼でできている。
この「玉鋼」は現在は日本刀の原材料でしか使われておらず、「たたら製鉄」という特有の製鉄法で製錬される。
「玉鋼」は普通の鋼と比較すると不純物が少ないので非常に美しくあり、また加工しやすく割れにくいという特徴がある。
「玉鋼」はまさに、日本刀のために製錬された鉱物なのだ。
また日本の歴史の中で太刀や短刀などさまざまな刀長の種類の日本刀が作られたが、いずれも「玉鋼」を原料にしたものが重宝されてきた。
匠の技による日本刀の意外な作刀法
日本刀が伝統工芸品として高価で取引されている理由は、一振り一振りが職人の手によって鍛錬されているからだ。
日本刀の鍛錬は機械では真似できず、職人が受け継いできた技術により丁寧に鍛錬していくしかない。
一振りの日本刀を鍛錬し完成させるためには約2週間かかる。
日本刀の鍛錬は鋼を高温で熱し、細長い形にするという単純な作り方ではない。
日本刀の鍛錬の特徴は、高温に熱し加工しやすくした「玉鋼」を何度も折り返し重ねることだ。この折り返しは10回から12回繰り返す。
この手間のかかる工程と技法を行うことで、不純物の少ない「玉鋼」からさらに不純物を取り除くことができ、さらに日本刀の仕上がりも丈夫なものができる。
「刀鍛冶」紹介まとめ
日本刀は日本の伝統工芸品の中でも非常に歴史が深く、美術品として誰もが認める美しさをもっている。
現在では日本刀の鍛錬の様子を見学させてもらえる鍛冶場も多く存在する。間近で職人が刀を鍛錬する様子はまさに圧巻だ。
また、伝統工芸作品として登録された日本刀はだれでも購入することができる。
美術品として気になる方は、専門店に行くとさまざまな日本刀を見ることができるのでオススメだ。
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