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「三条仏壇」紹介動画について

こちらの動画は「匠の手|新潟県伝統的工芸品16品目」が公開した「【三条仏壇】匠の手【五十嵐 考宏】」です。

およそ1分半の動画で、手打ち金具師の手により三条仏壇の飾り金具が作られる様子が映し出されています。
三条仏壇とはどのような仏壇なのでしょうか?
日本文化として世界に誇る、匠の手から生み出される伝統工芸「三条仏壇」についてご覧ください。

「仏都三条」新潟県三条地域の歴史

新潟県のほぼ中央に位置する三条地方。
ここは「仏都三条」と呼ばれるほど仏教文化が栄えた土地です。
その起源は、江戸時代中期には北陸随一とまで言われるほどの堂宇伽藍をもつ東別院が立てられたことに由来します。

大規模な寺院建立に際して、京都から仏師や宮大工、木工職人などさまざまな職人が招かれ、三条の職人も事業に参加しました。
こうして三条の地に浄土真宗が広まり、仏壇や仏具の生産が盛んに。
信濃川の水運にも恵まれ、原料輸送にも事欠かなかったことも大きな要因です。
地の利と、歴史、そして匠の技に裏打ちされ、正統的な宮殿造りと格調高い本漆塗りの金箔押し、そして飾り金具などの細工に定評があることから、三条仏壇は経済産業大臣より伝統的工芸品に指定されました。

三条仏壇の特徴

三条仏壇の作り方は複雑で、その特徴は以下の4点に集約されます。
・木地は釘を一切使わないほぞ組による組み立て式で作られていること
・「枡組」や「肘木組」を使った本格的な宮殿造り
・数十種類のタガネを使い、飾り金具師の手打ち技法によって加工された手打ち金具
・塗立(ぬりたて)、梨子地塗(なしじぬり)、木目出し塗といった塗装技術
動画では、飾り金具師の手仕事の工程が0:09よりご覧になれます。

金物町としての伝統工芸都市・新潟県三条市

新潟県の三条地域は、江戸時代から金属加工に特化した金物町としても有名で、その技術が仏壇にも余すところなく伝えられています。
芸術品、美術品の域にまで達した三条仏壇を生産する新潟県三条市は、ドラマ「下町ロケット」の舞台としても有名です。

金属加工産業が江戸時代から発達し、金物職人の技術は世界が認めるほど。
三条仏壇と同じく伝統工芸として、一枚の銅板だけを材料にして茶器や急須を作り出す燕槌起銅器があります。 新潟県三条市は江戸時代以来の伝統文化を今も受け継ぐ街なのですね。
伝統工芸を後世に引き継ぐための後進育成や文化継承にも力を入れており、日常的に金物文化の体験教室が開かれています。

三条仏壇紹介まとめ

新潟県三条市では街をあげてこの技術をもとにさまざまな商品を開発しています。
とくに調理器具やカトラリー、銀食器は有名で、三条の職人の技法を集めたおすすめの作品や伝統工芸品がたくさんあります。
自宅用に、また友人・知人へのプレゼントにもうってつけ。
お土産として手頃な値段の商品もあるので、新潟県三条市を訪れた際は、仏教文化が盛んな土地柄であることや、金物町としての伝統工芸品があることを思い出し、ぜひお土産屋さんを覗いてみてくださいね。

この記事を書いた人
最終更新日 : 2020年9月15日
日本
吉田 セツ(Setsu Yoshida)
教育系の会社を務めた後地方へUターンし複業ライターへ。
雪国・新潟県に江戸時代から受け継がれる伝統工芸「三条仏壇」。匠の手から作り出される飾り金具は芸術的な美しさ。
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