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岡山県高梁市 備中松山城|天空の城で紅葉と雲海を楽しむ

読売新聞オンラインが公開した動画「令和の紅葉 備中松山城」(約2分36秒)は、秋の備中松山城の姿を紹介する映像作品です。ナレーションや解説はなく、落ち着いたBGMとともに、紅葉に包まれた城や石垣が静かに映し出されます。シンプルだからこそ、視覚と聴覚だけで伝わる魅力が強く、観終わったあとに「自分の目で見てみたい」と思わせてくれます。

岡山県高梁市・現存十二天守「備中松山城 」の画像
写真:岡山県高梁市・現存十二天守「備中松山城 」

備中松山城とは?現存天守12城に数えられる名城

岡山県高梁市の臥牛山(標高約430メートル)山頂に築かれた備中松山城は、日本三大山城(備中松山城・岩村城・高取城)のひとつに数えられています。鎌倉時代にその起源を持ち、戦国期には毛利氏などの有力大名が支配をめぐって争った要衝でもありました。

最大の特徴は、江戸時代に建てられた天守が今も残っていること。全国に12しかない「現存天守」のひとつであり、さらに現存天守が残る唯一の山城として知られています。木造建築の質感や堅牢な石垣を間近に感じると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのよう。高梁市を代表する観光資源であり、市街地から望むその姿は町のシンボルでもあります。

天空の城と呼ばれる理由

秋から冬の早朝、山あいに霧が立ちこめると備中松山城は雲海に浮かぶような姿を現します。その幻想的な風景から「天空の城」と呼ばれ、全国から観光客が訪れる人気スポットになりました。

岡山県高梁市・備中松山城 の画像
写真:岡山県高梁市・備中松山城

兵庫県朝来市の竹田城も同じく「天空の城」と呼ばれ「日本のマチュピチュ」と称されますが、竹田城は壮大な石垣遺構が主役。一方、備中松山城には現存天守が残っており、雲海に浮かぶ現存天守を見られるのは国内でここだけです。両者を比べながら巡ると、その違いがより鮮明に感じられるでしょう。

SNSやメディアでも雲海の写真は話題となり、多くの写真がシェアされています。

雲海が見られる条件とベストタイミング

雲海は9月下旬から翌年4月上旬明け方〜午前8時頃に発生しやすく、特に10月下旬から12月上旬は濃い霧に包まれる確率が高いといわれています。

条件は、前日との気温差が大きい冷え込み、放射冷却、風が弱いこと、数日前の降雨など。こうした自然条件が重なると、城がまるで空に浮かぶかのような幻想的な姿に出会えます。

雲海観賞には「備中松山城雲海展望台」が定番。天守のある峰とは別に位置し、駐車場から徒歩約1分で展望台へアクセスできます。JR備中高梁駅からは車で約20分、秋〜春には予約制の乗合タクシーも利用可能です。

紅葉の見頃と絶景ポイント

備中松山城の紅葉は、例年11月中旬から下旬がピーク。城を取り囲む木々が真っ赤や黄金色に染まり、天守や石垣を一層引き立てます。

岡山県高梁市・備中松山城 の紅葉の画像
写真:岡山県高梁市・備中松山城 の紅葉

運が良ければ、動画のような紅葉と雲海の両方が重なる瞬間に出会えることも。赤・黄・白のコントラストは息を呑む美しさで、この時期ならではの光景です。

撮影スポットは城内に限らず、山道の途中や展望台からも楽しめます。朝と昼で光の当たり方が異なるため、訪れる時間帯によってまったく違う雰囲気を味わえるのも魅力です。

竹田城と備中松山城の違いとは?

兵庫県朝来市にある竹田城は室町時代に築かれ、戦国時代には山名氏や羽柴秀吉の支配を受けましたが、江戸時代初頭に廃城となり、現在は石垣遺構が残るのみです。その雄大な石垣群が雲海に浮かぶ姿は「日本のマチュピチュ」と呼ばれています。

兵庫県・竹田城跡の画像
写真:兵庫県・竹田城跡

一方、岡山県高梁市の備中松山城は鎌倉時代に起源を持ち、江戸時代に整備された天守が現存しています。つまり竹田城は「往時を想像する城跡」、備中松山城は「現存天守を体感できる山城」という違いがあります。どちらも雲海の名所ですが、歴史的な背景や残っているものの性質が大きく異なり、両方を訪れることで“天空の城”の多様な姿を理解できます。

高梁市で楽しむ観光とグルメ

備中松山城を訪れたあとは、城下町や地元グルメを味わうのも旅の楽しみです。

高梁は農産物の宝庫で、甘みの強い「ピオーネ」や濃厚な「桃太郎トマト」が有名です。夏には高梁川で獲れる鮎が香ばしく焼かれ、季節の味覚として市内の料理店で楽しまれています。さらに、江戸時代から伝わる銘菓「ゆべし」は、老舗 天任堂 が今も手作りし、旅のおみやげとして人気です。

岡山県の銘菓「ゆべし」の画像
写真:岡山県の銘菓「ゆべし」

食事処では、高梁市のご当地グルメ「インディアントマト焼きそば」が有名で、食堂 五万石 で提供されています。また、十割そばを味わえる 方谷庵 や、豆富料理専門店 恋美豆富 雲白(こいびどうふ くもじろう) も評判。観光途中の休憩には、高梁市図書館に併設された スターバックス(蔦屋書店店内) が便利で、地元の人々にも親しまれています。

こうしたグルメを組み合わせると、旅の満足度はさらに高まります。たとえば朝に雲海展望台を訪れ、午前中に城内散策。昼は「インディアントマト焼きそば」で腹ごしらえし、午後は城下町を歩いて和菓子店を巡り、夕方にそばや豆富料理で締めくくる。
そんな一日の過ごし方もおすすめです。

アクセスと観光情報まとめ

住所:岡山県高梁市内山下1
アクセス(天守):JR備中高梁駅から「城まちステーション」へ徒歩約10分 → 登城整理バスでふいご峠へ約5分 → 徒歩約20分で天守。運休日はふいご峠まで自家用車で乗入可。タクシー利用なら駅からふいご峠まで約10分(片道約1,700円)。
雲海展望台:天守とは別峰にあり、駐車場から徒歩約1分。駅から車で約20分、秋〜春は予約制の乗合タクシーも運行。
開城時間:4〜9月 9:00–17:30(最終入城17:00)、10〜3月 9:00–16:30(最終入城16:00)
休城日:12月29日〜1月3日
料金:大人500円、小中学生200円

詳しくは公式ホームページをご参照ください。
https://www.bitchumatsuyamacastle.jp/

まとめ:秋の旅行におすすめの天空の城

備中松山城は、現存天守が残る唯一の山城として、紅葉や雲海といった自然美と歴史を同時に体験できる特別な場所です。竹田城と並んで「天空の城」と称されますが、それぞれの違いを知ると旅はより奥深いものになります。

城下町散策や地元の味覚とあわせれば、高梁市の旅はさらに充実。秋の早朝に雲海と紅葉に包まれた城を眺める体験は、きっと忘れられない時間になるでしょう。

この記事を書いた人
最終更新日 : 2020年9月15日
日本
有田 和義(Kazuyoshi Arita)
エンタメ大好きなアラフォーライターです

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岡山県 備中松山城|紅葉と雲海の絶景タイミング&天空の城の魅力を竹田城と比較
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