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兵庫県、和歌山県、奈良県、京都府、三重県|関西の梅名所8選と周辺観光ガイド

春の訪れを、いちばん早く知らせてくれる花、それが梅(うめ)です。桜より少し先に咲きはじめ、ふわりと漂う香りや、紅白の彩りで「季節が切り替わる瞬間」を感じさせてくれます。

この記事では、YouTube動画で紹介されている 兵庫県、和歌山県、奈良県、京都府、三重県 の梅の名所8スポットを中心に、現地での見どころや由来、特徴を丁寧に解説しながら、あわせて立ち寄りたい周辺観光もご案内します。

梅見の起源は?桜より先に主役だったって本当?

梅の花の画像
写真:梅の花

いまは「花見=桜」が一般的ですよね。でも実は、奈良時代の“花のスター”は梅でした。『万葉集』では「梅」の字が入る歌が「桜」を上回る数あるとされ、当時の人たちがどれだけ梅に心を動かされていたかが伝わってきます。
さらに、天平2年(730)に大宰府で「梅花の宴(ばいかのえん)」が開かれ、列席者が梅を題材に歌を詠んだという話も残っています。

当時の梅は“昔から日本にあった花”というより、中国から伝わった新しい憧れの花として受け入れられており、そこから時代が下るにつれて、行楽としてのお花見は桜へと軸足が移り、梅は「香り」「学問」「縁起」といった魅力で愛され続けています。

梅は紅白でめでたさを表しやすく、冬を越えて咲く姿も相まって、縁起の良いモチーフとして暮らしの中に溶け込んできました。
満開の華やかさはもちろん、散り際に花びらが舞う様子は、桜吹雪を思わせる瞬間もあります。梅は“静かな春の入口”を教えてくれる花だと感じます。

関西の梅の見頃はいつ?開花状況の最短チェック術

関西の梅は、ざっくり言えば 1月下旬〜3月下旬 がシーズンとなっています。
ただし、同じ関西でも海沿い・山あい・標高で体感が変わるため、見頃(見ごろ)はずれやすいポイントでもあります。

目安になりやすい「咲き始め→見頃」の流れ

和歌山県(みなべ):早めに動きやすく、例年は1月下旬から開園、2月中旬ごろが見頃の目安。
京都府(市街地):2月〜3月にかけて。天満宮の梅花祭(2月下旬)も季節の合図です。
奈良県(月ヶ瀬・五條):2月中旬〜3月が中心。月ヶ瀬は渓谷に約1万本規模で広がります。
兵庫県(神戸・六甲山麓):3月に入ってから伸びる年も。保久良梅林は3月中旬以降が目安。
三重県(いなべ・鈴鹿):2月下旬〜3月。特に鈴鹿の森庭園は“夜の表情”が大きな魅力です。

1. 保久良梅林(兵庫県神戸市)|街と海を見下ろす“ご褒美の梅”

兵庫県神戸市・保久良梅林
写真:兵庫県神戸市・保久良梅林

保久良梅林(ほくらばいりん)の様子は(00:45)からご覧いただけます。

保久良梅林とは、神戸市東灘区で「岡本の梅林をよみがえらせたい」という思いから、1975年に保久良山へ植樹された梅林です。白梅、紅梅あわせて約100本、街並みと海を背景に眺められるのが大きな魅力。

見どころは、登った先にふっと視界が開ける瞬間。香りが先に春を連れてきて、足元の坂道さえ「小さな旅の工程」に変わります。お弁当を広げて宴会……というより、散策しながら静かに楽しむ方が多い印象ですが、人気日には場所取りのような雰囲気になることも。歩きやすい靴が安心です。

周辺観光(兵庫県神戸市)
保久良梅林のあとは、すぐ近くの保久良神社にお参りしてから下山すると流れがきれいです。
岡本梅林公園の梅は約200本、品種も豊富で、駅近で“はしご梅”にも向きます。
下山後は阪急岡本駅周辺でカフェ休憩や街歩きを挟むと、山歩きの余韻が心地よく整います。もう少し観光らしさを足すなら、東灘から行きやすい灘の酒蔵めぐりへ。見学施設で学びつつ、お土産も選べます。

基本情報
見頃:3月中旬以降(年により変動)
アクセス:阪急「岡本駅」から徒歩約40分(目安)
料金:散策無料(周辺施設・交通は別途)
参考サイト:https://www.city.kobe.lg.jp/b07715/kuyakusho/higashinadaku/shoukai/shoukai/ume.html

2. 南部梅林(和歌山県みなべ町)|「一目百万、香り十里」のスケール感

和歌山県みなべ町・南部梅林の画像
写真:和歌山県みなべ町・南部梅林

南部梅林(なんぶばいりん)の様子は(02:21)からご覧いただけます。

南部梅林とは、「一目百万、香り十里」と称される日本最大級の梅林。かぐわしい香りの中を歩きながら、春が近づく音を聞くような時間が過ごせます。例年は1月下旬〜3月上旬に開園し、2月中旬前後が見頃の目安です。

みなべ町は梅の産地としても知られ、梅が「観光」だけでなく「暮らし」や「仕事」と地続きで存在している土地。梅干しや梅仕事といった言葉が、単なる名物紹介ではなく“文化の手触り”として感じられるのが、この場所の深みだと思います。

周辺観光(和歌山県)
南部梅林の周辺は「梅の産地らしさ」を体感できる寄り道が充実しています。
梅林散策のあとに梅加工品の買い物や、関連施設の見学を組み合わせると、景色の思い出が“味の記憶”として残りやすくなります。さらに時間があれば白浜方面へ足を伸ばし、海の絶景散策や白浜温泉の日帰り入浴を加えると、春の旅行として満足度が一段上がります。

基本情報
所在地:和歌山県日高郡みなべ町晩稲地内
営業時間:8:00〜17:00(開園期間中)
料金:大人500円、小・中学生200円(目安)
アクセス:みなべICから車で約5〜6分(目安)
駐車場:有料
参考サイト:https://minabebairin.com

3. 賀名生梅林(奈良県五條市)|“吉野になぞらえる”2万本の物語

奈良県五條市・賀名生梅林の画像
写真:奈良県五條市・賀名生梅林

賀名生梅林(あのうばいりん)の様子は(04:09)からご覧いただけます。

賀名生梅林とは、奈良県五條市西吉野町の丘陵を覆う、約2万本規模の梅林です。
ここが素敵なのは、名所の呼び名に「一目千本」「見返り千本」「奥の千本」など、吉野山の桜になぞらえた名前がつけられていること。桜の名所に負けない春を、梅で作ろうという気概が感じられます。

散策に3時間ほどかかる目安もあり、しっかり“旅の工程”として楽しめます。急がず、見どころで立ち止まって香りを吸い込むように歩くと、景色が体の中に残ります。

周辺観光(奈良県)
賀名生梅林の良さは、梅の風景に「歴史の物語」を重ねられることです。
近くの賀名生皇居跡(堀家住宅)を訪ねると、この土地が歩んだ背景が分かり、梅の景色がより印象的になります。帰りは五條新町通りへ立ち寄り、江戸期の町並みを散策して甘味で一息つくと、自然と町歩きがつながり、旅の密度が高まります。

基本情報
所在地:奈良県五條市西吉野町北曽木
見頃:2月下旬〜3月上旬(目安)
問い合わせ:0747-33-0301(現地)
参考サイト:https://www.city.gojo.lg.jp/soshiki/nishiyoshino/1/2015.html

4. 月ヶ瀬梅渓(奈良県奈良市)|渓谷と湖、1万本がつくる“春のパノラマ”

奈良県奈良市・月ヶ瀬梅渓の画像
写真:奈良県奈良市・月ヶ瀬梅渓

月ヶ瀬梅渓(つきがせばいけい)の様子は(05:43)からご覧いただけます。

月ヶ瀬梅渓とは、五月川(名張川)沿いの渓谷に、約1万本以上の梅林が広がる全国有数の梅の名所。1922年(大正11年)に国の名勝に指定されています。
見頃は2月中ごろ〜3月。渓谷に香りがたまるように漂い、歩くほどに景色がほどけていくのが、月ヶ瀬ならではの魅力です。

そして、ここは「写真映え」だけで終わらない場所でもあります。鎌倉時代に真福寺の境内へ梅が植えられたのが始まり、文人墨客も訪れたという“時間の厚み”が、風景に静かな説得力を与えています。

周辺観光(奈良県奈良市)
月ヶ瀬梅渓は渓谷沿いを歩いて楽しむ分、周辺観光は“体を温めて締める”組み立てが相性抜群です。
散策後は梅の郷 月ヶ瀬温泉でゆっくり温まり、冷えやすい季節の疲れをほどくと満足感が残ります。時間に余裕があれば、近隣の道の駅に寄って地元の食材や土産を選ぶと、帰路の楽しみも増えます。

基本情報
アクセス:JR奈良駅、近鉄奈良駅からバス約80分(目安)
見頃:2月中旬〜3月(目安)
参考サイト:https://www.city.nara.lg.jp/sightseeing/naraharu/112100.html

5. 北野天満宮(京都府京都市)|梅と学問、そして「飛梅」伝説

京都府・北野天満宮の梅苑 花の庭の画像
写真:京都府・北野天満宮の梅苑 花の庭

北野天満宮(きたのてんまんぐう)の様子は(08:13)からご覧いただけます。

北野天満宮とは、菅原道真(すがわらのみちざね)公ゆかりの天満宮で、「天神さん」と親しまれる存在です。梅と深い縁があり、御本殿前の梅は、道真公が愛した梅を受け継ぐ特別な木として語り継がれています。
梅の香りの中で参拝すると、「合格祈願」だけではない、心を整えるような静けさがあります。

梅の時期は御朱印をいただく方も多く、境内の空気がいっそう“春の行事”らしくなります。年によって梅苑の公開や企画内容、料金は変わるため、直前の公式発表を確認するのが安心です。

周辺観光(京都府京都市)
北野天満宮の周辺は、京都が初めての方でも分かりやすい“王道の組み合わせ”が作れます。
梅苑と参拝のあと、金閣寺や龍安寺へ足を伸ばすと、京都らしい景観と静けさが一日で味わえます。もう少しゆったり過ごすなら、上七軒や西陣界わいの街歩きへ。和菓子や軽食で休憩を入れると、旅が慌ただしくなりません。

基本情報
所在地:京都市上京区(北野天満宮)
梅苑・企画情報:年度により会期や料金が変動(公式発表を確認)
参考サイト:https://kitanotenmangu.or.jp/guidance/baien/

6. 城南宮(京都府京都市)|しだれ梅と椿、春が重なる庭園

京都府・城南宮の枝垂れ梅と落ち椿の画像
写真:京都府・城南宮の枝垂れ梅と落ち椿

城南宮(じょうなんぐう)の様子は(09:51)からご覧いただけます。

城南宮とは、平安遷都の際に京都の南に創建され、方除(ほうよけ)の大社として信仰を集めてきた神社です。
春は「しだれ梅と椿まつり」が有名で、約150本のしだれ梅と約400本の椿が同時に楽しめる“春の重なり”が見事です。散り始めには、花びらが地面を敷き詰める「花びらのじゅうたん」も見どころ。

桜の季節の夜桜も良いですが、城南宮は昼の光で花の質感をゆっくり味わうのが似合う場所だと思います。混雑回避なら、開門直後や平日が比較的歩きやすいです。

周辺観光(京都府京都市)
城南宮のあとは、伏見エリアへつなげると観光がまとまりやすくなります。
伏見は酒どころとして知られ、酒蔵の町並み散策や資料館見学を組み合わせると、花旅に文化の厚みが加わります。時間があれば伏見稲荷大社へ回るのもおすすめです。参拝と散策で気分が切り替わり、半日旅でも「見た、歩いた、味わった」が揃いやすくなります。

基本情報
しだれ梅と椿まつり:2/18〜3/22(年により変動)
拝観時間:9:00〜16:30(受付16:00まで)
拝観料:大人1,000円、小学生600円(期間・区分で変動あり)
参考サイト:https://www.jonangu.com/shidareume.html

7. いなべ市梅林公園(三重県いなべ市)|山並みと梅の“カラーパッチワーク”

三重県いなべ市・いなべ市梅林公園の画像
写真:三重県いなべ市・いなべ市梅林公園

いなべ市梅林公園(いなべしばいりんこうえん)の様子は(11:45)からご覧いただけます。

いなべ市梅林公園とは、三重県いなべ市農業公園内にある梅の名所。梅まつり期間は入園料が設定され、開園時間は9:00〜16:00が目安です。
斜面いっぱいに色が広がる景色は、晴れた日ほど輪郭がくっきりして、インスタ映えという言葉が先に浮かぶ方もいるかもしれません。

ただ、ここは“写真のための場所”というより、見晴らし台から風景を丸ごと吸い込む場所だと感じます。桜の本数を数えるように「規模」を楽しむお花見も良いですが、いなべは品種の違いが色で分かりやすく、見どころが散らばっています。

周辺観光(三重県いなべ市)
いなべ市梅林公園のあとは、阿下喜エリアで“癒やしの寄り道”を入れると満足度が上がります。
温泉やサウナ、食事を楽しめる施設があり、冷えやすい梅の季節にぴったりです。時間に余裕がある方は、阿下喜の商店街を軽く歩いてから帰るのもおすすめです。旅の終わりに「もう少しだけ地元の空気」を味わえるのが魅力です。

基本情報
所在地:三重県いなべ市藤原町鼎717番地
開園時間:9:00〜16:00
入園料:大人500円(梅まつり期間の目安)
公式のイベント情報:随時更新
参考サイト:https://www.kankomie.or.jp/event/11313

8. 鈴鹿の森庭園(三重県鈴鹿市)|夜に浮かぶ“しだれ梅のシャンデリア”

三重県鈴鹿市・鈴鹿の森庭園の画像
写真:三重県鈴鹿市・鈴鹿の森庭園

鈴鹿の森庭園(すずかのもりていえん)の様子は(14:27)からご覧いただけます。

鈴鹿の森庭園とは、赤塚植物園グループが運営する“枝垂れ梅の研究栽培農園”。園内の名木は約200本規模で、剪定の仕立て技術を守り継ぐ目的がある、と明確に語られているのが印象的です。
見どころの代表格が、樹齢100年以上と推定される「天の龍」「地の龍」。呉服しだれ(くれはしだれ)の古木として注目されています。

そして、ここは“夜”が本番になり得る場所。ライトアップ期間は20:30まで営業し(最終入場20:00)、暗闇に花が浮かび上がる様子は、夜桜とは別種の幻想感があります。
寒さ対策はしっかりめに。風が抜ける日は体感が想像以上に冷えます。

周辺観光(三重県)
鈴鹿の森庭園は、周辺観光を目的別に組み立てやすいのが良いところです。
静かな時間を足したい方は椿大神社へ参拝し、森の空気で気持ちを整える流れがおすすめです。家族旅行なら鈴鹿サーキットを組み合わせると、旅の主役が増えて計画が立てやすくなります。夜まで楽しんだ日は、湯の山温泉方面で温まって締めると、余韻がきれいに残ります。

基本情報
所在地:三重県鈴鹿市山本町151-2
開園期間:2/21〜3月下旬予定(年により変動)
料金:700円〜2,000円(開花状況で変動)
アクセス:近鉄四日市駅、JR四日市駅、近鉄菰野駅などから所要時間目安あり
参考サイト:https://www.akatsuka.gr.jp/group/suzuka/index.html

まとめ|「関西の梅」は、移動も含めて“春の物語”になる

関西の梅名所は、同じ「梅」でも表情がまったく違います。

海と街を見下ろす(兵庫県神戸市・保久良梅林)
香りのスケールで包む(和歌山県みなべ町・南部梅林)
吉野になぞらえる物語(奈良県五條市・賀名生梅林)
渓谷の名勝で歩く(奈良県奈良市・月ヶ瀬梅渓)
学問と梅の縁(京都府京都市・北野天満宮)
庭園で春が重なる(京都府京都市・城南宮)
山並みと色のパノラマ(三重県いなべ市・いなべ市梅林公園)
夜に完成する幻想(三重県鈴鹿市・鈴鹿の森庭園)

旅行として組むなら、京都は寺社を軸に日帰りでまとめやすく、奈良は“歩く時間”が旅の満足度になります。三重は移動に車やツアーを絡めるとぐっと快適になり、料金や開花次第で行き先を柔軟に変えられるのが強みです。
最後は、各地とも開花予想は揺れますので、出発前に公式の開花情報を一度見ておくと安心です。

この記事を書いた人
最終更新日 : 2026年2月11日
日本
有田 和義(Kazuyoshi Arita)
エンタメ大好きなアラフォーライターです
関西の梅名所8選 兵庫、和歌山、奈良、京都、三重 見頃と見どころ保存版
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