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第二次世界大戦(太平洋戦争)時にコンクリート船として竣工した武智丸を紹介!

こちらは日本の景色やおだやかな風景をドローンで撮影している「K西山」さんが制作した広島県呉市安浦町にあるコンクリート船「武智丸(たけちまる)」をPRした動画「広島県呉市安浦町、海の守り神:終戦間際のコンクリート船、武智丸」です。

武智丸とは第二次世界大戦(太平洋戦争)の最中、大日本帝国海軍所属の貨物船として竣工されたEC型戦時標準船のこと。
同時期に合計5隻の同船の建造が計画されましたが、その内の2隻が広島県呉市安浦町の漁港に残っています。

この武智丸は現在は海辺の住民の生活を守るために堤防として使用されています。
その迫力ある姿を是非こちらの動画でお楽しみください。

迫力満点!武智丸の雄大さと歴史を感じる!

コンクリート船・武智丸の画像
写真:コンクリート船・武智丸

武智丸の大きさは全長64.5m、重量は800トンであり、載貨重量980トンの巨大な貨物船です。
その姿は動画の0:10よりご覧になることができます。
現在は広島県呉市安浦町の三津口沖の堤防の役割を担っている武智丸。

かつて、大阪の「武智正次郎」という土木会社の経営者が造船することを強く希望したとされています。
様々な建造計画が練られた後、兵庫県の高砂市に2基のドックを建設。
2基のドックは、武智正次郎の名をとって、「武智造船所」と名付けられました。

そして、1944年に「第一武智丸」が竣工。
構造上、他の鋼材船よりも重量が重く、載貨重量が少ないのが欠点とされていました。
しかし、鋼材船に負けない強度と頑丈さを発揮し、貨物船として軍需物資等の運搬を行っていました。

その後に竣工された「第二武智丸」は軍需物資の貨物船として横須賀に配備され、第二次世界大戦の戦禍の中、輸送船としての役割を果たしたのです。

戦後、武智丸はどうなった?

コンクリート船・武智丸の画像
写真:コンクリート船・武智丸

第二次世界大戦後、第一武智丸は呉港に、第二武智丸は大阪港へと払下げを受けました。
しかし、広島県呉市安浦町の安浦漁港には防波堤がなかったことから、第一武智丸と第二武智丸を防波堤代わりに使用することを計画。
そして動画の全編でご覧になれるように、安浦漁港の防波堤として活躍することになるのです。

当時、鉄筋などの金属の値段が高騰したこともあり、第一武智丸、第二武智丸に使用されていた鉄製部品はほとんど持ちされてしまったのです。
そのため、今では船体のコンクリートのみが残った形となり、今の顔である「コンクリート船」となったのです。

観光名所としての武智丸!当時の面影を体感!

釣りをする人の画像
写真:釣りをする人

このような歴史を経て、武智丸は広島県呉市安浦町の安浦漁港に現存。
武智丸の迫力と偉大さを一目見ようと、たくさんの観光客が訪れています。

武智丸がご覧になれるのは広島県呉市の三津口桟橋からすぐ。
交通アクセスも良く、観光に訪れやすいのが特徴です。
近隣には広島の日本酒を作る酒造・醸造があり、地酒を楽しむことも可能。
さらに、海津神社や子崎神社などで観光を楽しむことができます。
また、武智丸と三津口桟橋の間はアジやイワシが釣れる有数の釣りポイントとしても知られています。

同じ広島県呉市の音戸町にはコンクリート製被曳航油槽船という別のコンクリート船がありますが、こちらは劣化が激しく、見学の際は注意が必要となっています。

武智丸がある広島県呉市安浦町は歴史を肌で感じることができます。
呉港、舞鶴港、そして硫黄島などへ足を運んで日本の歴史を学んでみてはいかがですか。

堤防として生まれ変わった武智丸紹介まとめ

広島県呉市安浦町では海の守り神として親しまれている武智丸。
第二次世界大戦の戦禍を経験し、今は防波堤と港の住民の生活を守るために活躍しています。
その迫力と偉大さは、当時の技術力と職人の技を感じることができるでしょう。
ぜひ、約2分の動画で武智丸の歴史を感じてみませんか。

【トリップアドバイザー】武智丸
https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022430-d10839037-Reviews-Concrete_Ship_Takechimaru-Kure_Hiroshima_Prefecture_Chugoku.html

この記事を書いた人
最終更新日 : 2023年4月26日
日本
岡本 修(Shu Okamoto)
日本の建物に魅了されたライター。建物や食を紹介していきます!

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戦禍を経験した「武智丸」は海の守り神として親しまれている武智丸堤防として生まれ変わった!広島県呉市の海の守り神として住民を見守る武智丸の歴史を探る。
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