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ウインドチャレンジャー搭載「松風丸」竣工の動画紹介

ウインドチャレンジャー搭載「松風丸」の画像
画像引用 :YouTube screenshot

今回は『商船三井公式チャンネル / MOL Channel』さん制作の『世界初のウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載ばら積み船「松風丸(しょうふうまる)」が竣工!―MOL Wind Challenger Project』という動画を紹介します。

風力エネルギーを直接推進力に変えて船を動かすウインドチャレンジャー搭載船「松風丸」が竣工。動画では、実際にウインドチャレンジャーを動かす様子や、松風丸の建造工程などが映し出されています。

SDGsへの取り組みが重要視される中、「風」という無尽蔵なエネルギーを利用して動く貨物船「松風丸」は注目を集めることになるでしょう。
まずは、動画でウインドチャレンジャーという最新技術が使用された船の様子をご覧ください。

ウインドチャレンジャーとは何?その仕組みや原理を解説!

ウインドチャレンジャー搭載「松風丸」の画像
画像引用 :YouTube screenshot

「ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)」は、昨今、問題となっている地球温暖化の防止に向けてGHG(温室効果ガス)削減を目的に、商船三井と大島造船を中心に開発計画が進められてきました。
従来の船舶は、推進力に化石燃料を利用するため、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出が大きくなります。
ウインドチャレンジャーの原理は、船に搭載された大きな縦帆が、風を受けて回転。その際、回転する帆の周りの空気の流れが変化し、一方向に向かう力が発生し、その力が船を推進させる力になり、船が進むという仕組みです。

ウインドチャレンジャーを搭載した船は、温室効果ガスの大幅な削減が見込める次世代の硬帆船と言えるでしょう。

硬翼帆の大きさや特徴は?メリットもあわせて解説します!

ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)の画像
画像引用 :YouTube screenshot

松風丸に搭載された、まるで塔のように巨大な硬翼帆。硬翼帆は、従来の帆船の技術を進化させたものと言われています。
FRP(繊維強化プラスチック)でできた帆は、4段階に伸縮可能。最大で53mまで伸び、自動制御によって帆を回転させたり、風の強さに応じて帆を伸縮させたりすることができ、風をとらえることで推進力に変えています。

硬翼帆のメリットは、次の2点です。
1. 帆の推進力によって船にスピードが出るため、目的地に早く着く。
2. 帆の推進力を利用するため、主機の出力を下げることができ、所要日数を変えることなく燃費を下げることが可能。

このように、自然エネルギーの風を利用するため、地球環境にやさしいのも硬翼帆の特徴であり、メリットなのです。

風力エネルギー活用で温室効果ガス削減の効果が見込まれています。

ウインドチャレンジャー搭載「松風丸」の画像
画像引用 :YouTube screenshot

温室効果ガス(GHG)とは、二酸化炭素やメタンなどのガスのことを言い、地球温暖化の原因とされています。
東北電力の専用船としてウインドチャレンジャーを搭載した石炭運搬船の松風丸は、日本〜オーストラリア航路においては従来の同型船の5%、日本〜北米西岸航路においては8%の温室効果ガス削減が見込んでいるのだそう。

2隻目は、木質ペレットを輸送する5万〜6万重量トン級の船舶に搭載される予定で、将来的には、原油タンカーやLNG(液化天然ガス)船への応用も考えられています。地球環境に配慮した硬翼帆が活躍する時代は、すぐそこまできているようです。

ウインドチャレンジャーはSDGsにも貢献しています

SDGsのイメージの画像
写真:SDGsのイメージ

昨今、よく耳にするようになったSDGsですが、採択されたのは約8年前の2015年9月のことでした。国連に加盟する193カ国が、2016年から2030年の15年間で達成するために、17の目標が掲げられました。
SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、世界から貧困をなくし、地球を守り、平和と繁栄を誰もが受けられるようにすることが目的とされています。
ウインドチャレンジャーは、このSDGsの17の目標のうち、下記の6つの目標に貢献しているようです。
● 7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
● 9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
● 12「つくる責任 つかう責任」
● 13「気候変動に具体的な対策を」
● 14「海の豊かさを守ろう」
● 17「パートナーシップで目標を達成しよう」
ウインドチャレンジャーは、地球環境に配慮し、SDGsに積極的に取り組むための新しい技術と言えるでしょう。

風力エネルギーを利用したウインドチャレンジャーまとめ

ウインドチャレンジャー搭載「松風丸」の画像
画像引用 :YouTube screenshot

環境問題は、今や世界中の国々が取り組まなくてはいけない問題です。そのような中で、始まった硬翼帆プロジェクトは、化石燃料に頼ることなく、自然のエネルギーである風に着目した地球環境に貢献する計画です。

ウインドチャレンジャー搭載の船舶が増えれば、物流業界において環境を守る取り組みのひとつとして世界中に広がるかもしれません。松風丸は、世界最先端の貨物船と言えるでしょう。

この記事を書いた人
最終更新日 : 2023年12月3日
日本
平敷 篤(Atsushi Heishiki)
日本文化が大好きな、沖縄在住のライター平敷篤と申します。
世界初!「松風丸」は風力エネルギーで動く貨物船!
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