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戦国時代の合戦を彩り、現代では美術品としても世界中で評価される日本刀。
刀剣乱舞や時代劇をきっかけに気になりはじめた方も、博物館でふと足を止めた経験がある方もいるかもしれません。

ただ実際のところ、「日本刀って、どこで実物を見られるの?」「もし手に入れたくなったら、どこに相談すればいいの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

刀身に光を当てたときに浮かび上がる刃文(はもん)、刀の生産地によって違う地鉄(じがね)の肌目、太刀と打刀で異なる姿。写真ではわかりにくい刃文の見え方や、刀身の反りなどは、実物を見ると印象が大きく変わります。それぞれの刀には、玉鋼(たまはがね)や焼き入れに支えられた職人の技、そして長く受け継がれてきた歴史があります。

そんな日本刀の世界を、初心者でも気軽にのぞけて、実物を間近で見たり、専門家に相談したり、購入や買取まで頼れる場所が、新潟県長岡市にあります。それが、創業七十年の刀剣専門店、和敬堂(わけいどう)です。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の外観
写真:新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の外観

今回この記事をまとめるにあたっては、和敬堂で長く日本刀と向き合ってきた土肥(どい)さんに、直接お話を伺いました。刀の見方や種類の違い、作り方の流れから、専門店ならではのエピソードまで、現場の視点から教えていただいた内容をもとにお届けします。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」三代目店主・土肥さん
写真:新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」三代目店主・土肥さん

この記事を読み終えるころには、太刀や脇差の違いをはじめ、玉鋼・たたら・折り返し鍛錬といった日本刀づくりの流れ、博物館や専門店での鑑賞の楽しみ方、そして「日本刀がほしくなったときの頼れる相談先」まで、日本刀の世界がぐっと身近に感じられるはずです。

博物館や時代劇で日本刀を目にしても、「鋭い刃物」という印象しか残らない方も多いかもしれません。日本刀を鑑賞するときは、まず「姿」「刃文」「地鉄」の三つを見ると理解しやすくなります。

「姿」とは刀全体のシルエット、その時代の戦闘様式の特徴がでます。「地鉄」とは鍛えられた鉄の肌、製作に使われた鉄の産地の特徴がでます。「刃文」とは刃に浮かぶ模様でそれぞれの刀匠の特徴がでます。それぞれ職人の技と時代の特徴が表されており、武器としての切れ味だけでなく、美術品や文化財としての価値も持ち合わせています。

刃文「互の目乱れ刃」
写真:刃文「互の目乱れ刃」

日本刀はもともと、戦の道具として鍛えられてきました。刃の鋭さ、しなやかさ、折れにくさ。武士の命を預ける道具としての性能が、長い年月をかけて磨かれてきたのです。

やがて戦の時代が過ぎても、日本刀は武家の象徴や美術品として大切に扱われるようになりました。武器としての役割を終えてからも、その姿の美しさや、地鉄に浮かぶ細やかな模様が、多くの人を惹きつけ続けてきたためです。

日本刀は、実用品としての歴史と、美術品としての価値を持つ点が大きな特徴で、今では国宝や重要文化財に指定されている刀も多く、世界の美術館でも一級の美術品として展示されています。
海外から日本を訪れる旅行者にとっても、刀剣博物館は人気の鑑賞スポットとなっています。

日本刀を見るときは、刃文と地鉄に注目すると鑑賞しやすくなります。

刃文とは、刃の縁に沿って白く浮かび上がる模様のことを指します。直線的な「直刃(すぐは)」、波のような「乱刃(みだれば)」、雲のように広がるものなど、流派や時代、刀匠によって模様がまったく違います。光の当たり方によって刃文の見え方が変わるため、同じ刀でも角度を変えると違った印象を受けます。

刃文「丁子乱れ刃」
写真:刃文「丁子乱れ刃」

地鉄は、刀身の地の部分に浮かぶ鉄の肌目です。木目のようにも、流れる水のようにも見える模様には、刀匠が鋼を鍛えてきた工程が表れています。

同じ刀匠が打った刀でも、刃文や地鉄は一振ごとに違います。だからこそ、博物館や専門店に足を運ぶたびに、新しい発見が待っています。

「日本刀」とひと口に言っても、実はいくつかの種類があります。太刀、刀、脇差、短刀。それぞれ姿や身につけ方が違い、見分けられるようになると鑑賞の楽しさが広がります。

博物館などで見かける、大きな反りを持つ堂々とした刀。それが太刀(たち)です。鞘に収めた刃を下に向けて、腰から吊るすようにして身につけるのが、太刀のいちばんの特徴となります。三日月宗近など、教科書や歴史番組でも取り上げられる平安・鎌倉時代の名刀の多くは、この太刀の形をしています。

大きな反りを持つ堂々とした「太刀」
写真:大きな反りを持つ堂々とした「太刀」

それに対して、刃を上に向けて腰に直接差すのが、打刀(うちがたな)です。「刀」として一般的に呼ばれているのは、ほとんどがこの打刀の形式となります。鞘ごと帯に差し込むため、腰の動きに合わせて素早く抜き打てるのが大きな特徴で、太刀に比べると反りも控えめで、すっきりとした姿のものが多く見られます。

腰の動きに合わせて素早く抜き打てるのが大きな特徴の「打刀」
写真:腰の動きに合わせて素早く抜き打てるのが大きな特徴の「打刀」

同じ「日本刀」と呼ばれていても、太刀と打刀では姿も、身につけ方も大きく違います。「これは吊るす刀」「こちらは差す刀」と意識して見比べると、それぞれの刀が使われた場面の違いまで読み取れるようになります。なお、太刀と打刀が生まれてきた時代背景については、次の章で見ていきます。

太刀と刀の違いに加えて、脇差(わきざし)と短刀(たんとう)まで知っておくと、刀剣の見方は一気に広がります。

脇差は、打刀と一緒に腰に差した、少し短めの刀です。打刀と脇差をそろえて二振差しにする姿は、武家社会の正装の一部としても知られていました。時代劇で武士が腰に二振差している光景は、まさにこの組み合わせです。

打刀と一緒に腰に差した、少し短めの刀「脇差」
写真:打刀と一緒に腰に差した、少し短めの刀「脇差」

短刀は、さらに小ぶりな日本刀で、護身や儀礼の場面でも使われてきました。短いながらも、刃文や地鉄の見どころは大刀に劣らないものが多く、コレクターからも根強い人気があります。手のひらに収まるほどの小さな刀身に、職人の技が詰まっている点も、短刀ならではの魅力です。実物を見ると、その小ささに驚く方もいます。

護身や儀礼の場面でも使われてきた「脇差」
写真:護身や儀礼の場面でも使われてきた「脇差」

太刀、刀、脇差、短刀。この四つを並べて見比べてみると、それぞれの大きさや反り、身につけ方の違いから、刀剣の世界の広がりが見えてきます。

博物館に並ぶ日本刀をよく見ると、時代によって少しずつ姿が違うことに気づきます。歴史を知ると、刀の形がなぜ変わってきたのか理解しやすくなります。

日本刀の象徴ともいえる「反り」のある姿が定着したのは、平安時代後期から鎌倉時代にかけてだといわれています。

それ以前の刀剣は、まっすぐな直刀(ちょくとう)が中心でした。けれど、騎馬による戦が広まるにつれて、馬上から振り下ろす動作に合った形が求められるようになります。馬の上から地上の相手を斬るには、まっすぐな直刀よりも、自然なカーブを持つ刀のほうが力をなめらかに伝えられたためです。こうして刀身に反りが加わり、上から振り下ろすときに抵抗の少ない形へと進化していきました。

この時代に生まれた太刀には、堂々とした反りと、格式ある雰囲気を備えた刀が多く見られます。三日月宗近(みかづきむねちか)や童子切安綱(どうじぎりやすつな)といった「天下五剣(てんがごけん)」と呼ばれる名刀なども、すべてこの時代に生まれた太刀として知られています。歴史背景を知ってから眺めると、武士の時代を感じさせる迫力が伝わってきます。

時代が進むと、戦いの中心が騎馬から徒歩へと移っていきます。室町時代後期からは、足軽など歩いて戦う人々が増え、密集した戦場で素早く動ける刀の形が求められるようになりました。

そこで広まっていったのが打刀です。馬上ではなく地上の戦いを前提とした打刀は、太刀よりも扱いやすく、抜くと同時に斬れる速さが、徒歩の戦場で大きな強みとなりました。戦国時代に活躍した武将たちが愛用した刀の多くも、この打刀の形となります。

そして江戸時代に入ると、戦そのものが減り、刀は武士の身分を示す象徴として大切にされるようになります。実用と象徴の両方を兼ね備えた打刀は、こうして長く受け継がれていきました。歴史的背景を知ったうえで博物館や専門店を訪れると、ガラスケースの向こうの一振にも、その時代を生きた人々の暮らしが重なって見えてきます。

同じ刀匠が打った刀でも、刃文や地鉄は一振ごとに違います。日本刀には、そんな不思議があります。なぜそうなるのか。一振の刀ができあがるまでの工程を追っていくと、その理由が見えてきます。

たたらとは、日本古来の製鉄法のことを指します。砂鉄と木炭を炉に重ねて、何日もかけて高温で熱し続けることで、現代の製鉄法では再現が難しいといわれる特別な鋼を作り出します。この工程から生まれるのが、硬さと粘り強さを併せ持ち、不純物の少ない、玉鋼と呼ばれる日本刀の原料です。「折れず、曲がらず、よく切れる」という日本刀ならではの性質は、この玉鋼の特性があってこそ生まれてきます。

日本古来の製鉄法「たたら製鉄」
写真:日本古来の製鉄法「たたら製鉄」

玉鋼は現代の鉄とは違って、その玉鋼がとれる産地によって不純物の入り方や硬さや粘りに違いがでます。その個性のある玉鋼をどう鍛えるかが刀匠の腕の見せどころです。

言いかえれば、日本刀の個性は、たたらで鋼を作る段階から少しずつ生まれているということです。出発点である玉鋼の役割の大きさが見えてきます。

玉鋼
写真:たたら製鉄によって生み出される最高級の鋼「玉鋼」

玉鋼を選び終えたら、ここからは工房の中で、刀匠の手によって形づくられていきます。

まず行われるのが折り返し鍛錬です。熱した鋼を打ち延ばしては折り返し、また打ち延ばしては折り返す。何度も繰り返すことで、不純物が抜け、層が幾重にも重なった粘り強い鋼が生まれます。地鉄に浮かぶ美しい肌目は、この時間の積み重ねの結果です。

刀匠による作刀
写真:刀匠による作刀

形が整ったら、続いて焼き入れに入ります。刀身に土を塗り分けてから一気に加熱し、水で冷やす工程で、刃文の模様が決まります。同じ刀匠でも、その日の気温や水の温度で刃文の出来が変わってしまうので、職人の経験が問われる重要な場面となります。

最後の工程が研磨です。研師(とぎし)が砥石を何種類も使い分けながら、刀身の刃文や地鉄を引き出していきます。同じ刀でも、研ぎ方ひとつで見え方が変わるのが、日本刀の奥深いところです。

玉鋼、たたら、折り返し鍛錬、焼き入れ、研磨。これだけの工程を経て生まれるからこそ、刀の一振一振に「この刀でなければ」という個性が生まれていきます。「日本刀を一振選ぶ」という行為が特別なものになる理由は、ここにあります。

刀匠による作刀
写真:刀匠による作刀

日本刀を楽しむ場所には、博物館と専門店という二つの大きな入口があります。それぞれに役割があり、両方を知っておくと、刀剣を楽しむ幅が一気に広がります。

日本刀を展示している博物館や美術館では、名刀を解説とともに鑑賞しながら、日本刀への理解を深めることができます。展示ケース越しではありますが、時代背景や流派、刀匠の名前を知ることで、その刀が歩んできた歴史や文化的な価値を学べます。

一方で、和敬堂のような刀剣専門店には、博物館では味わえない近さがあり、実際に刀を手にとって見ることもできます。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の内観
写真:新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の内観

スタッフに直接話を聞きながら、自分の興味に合わせて刀の一振一振を見せてもらえる距離感は、専門店ならではの魅力です。気になった刀をじっくり時間をかけて見られるのも、展示室との大きな違いです。

博物館と専門店の楽しみは、両方を行き来することで一気に広がります。 博物館で得られるのは、時代背景や流派、刀匠の系譜といった体系的な知識です。一方、専門店で得られるのは、実物を間近で見て、スタッフに直接質問できる体験的な学びです。

たとえば、博物館で「鎌倉時代の太刀」「江戸期の打刀」と時代背景を学んでから専門店に行くと、店内に並ぶ刀の一振一振にも、それぞれの時代の文脈が重なって見えてきます。逆に、専門店で反りや刃文の違いを実物で確かめてから博物館を訪れると、ガラスケース越しの名刀も、最初に見たときとは違う見どころに気づけます。 知識と実物が重なったとき、刀剣鑑賞の楽しみは一段と深まっていきます。

ここまで博物館と専門店の違いを見てきたうえで、「では、実際にはどんな専門店があるのか」と気になった方もいるかもしれません。

実は、日本刀の専門家に直接話を聞きながら、実物を間近で見たり、購入や買取の相談ができたりする場所が、新潟県長岡市にあります。それが、創業から七十年、三代にわたって受け継がれてきた刀剣専門店、和敬堂です。(0:00)はじめて日本刀に興味を持った方でも気軽に立ち寄れる場所となっています。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の外観
写真:新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の外観

和敬堂は、新潟県長岡市で長く愛されてきた刀剣専門店です。創業からおよそ七十年、三代にわたって店を受け継ぎながら、日本刀や刀装具と向き合い続けてきました。(1:27

七十年という時間の中で、和敬堂は多くの刀剣を扱い、来店者の相談に応えてきました。だからこそ、店内に並ぶ刀の一振一振からは、単なる商品としてではなく、受け継がれてきた背景を感じられます。

日本刀に少し興味を持ち始めた方も、コレクションを長く楽しんでいる方も、自分のペースで楽しめるのが、この店の心地よさです。創業七十年、三代続く新潟の刀剣専門店という安心感は、はじめての来店でもしっかり感じ取れるはずです。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の内観
写真:新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の内観

和敬堂のもうひとつの大きな特徴が、刀剣評価鑑定士が二名在籍していることです。日本刀は、形や時代、流派、保存状態などによって価値の見方が大きく変わる分野ですから、専門の眼を通して見てもらえることは、購入を考えるうえでも、家に伝わる刀を相談するうえでも心強い存在となります。

「この刀はどの時代に作られたものか」「家を整理してたら刀がでてきたがどうしたらいいか」、そうした問いを一緒に紐解いてもらえる場所が、新潟県長岡市にあります。

和敬堂は、内閣総理大臣認可の全国刀剣商業協同組合をはじめ、数多くの美術組合に所属している正規の刀剣専門店です。「専門店はちょっと敷居が高いかも」と思っている方でも、安心してください。日本刀との初めての出会いを大切にしている、相談しやすい雰囲気の店です。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」三代目店主・土肥さん
写真:新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」三代目店主・土肥さん

和敬堂の店内には、太刀、刀、脇差、短刀、槍、そして刀装具(とうそうぐ)がずらりと並んでいます。刀の種類の広がりと、刀装具の奥深さ。両方が同じ空間に並んでいるからこそ、訪れるたびに新しい発見があります。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の内観
写真:新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の内観

ひと口に刀剣といっても、その姿や印象は種類によって大きく異なります。太刀には堂々とした反りがあり、打刀には凛とした美しさがあります。脇差には落ち着いた佇まいがあり、短刀には小ぶりながらも鋭い存在感があります。さらに槍(やり)には、刀とはまた違う迫力があります。

実物の姿や反りの違いを目の前で確かめられるのは、専門店ならではの楽しみです。店内で複数の刀剣や刀装具を見比べられる点も、専門店ならではの魅力です。

そして和敬堂のもうひとつの見どころが、鍔(つば)、目貫(めぬき)、小柄(こづか)、縁頭(ふちがしら)、揃金具(そろいかなぐ)といった刀装具です。(10:40

目貫(めぬき)、小柄(こづか)、縁頭(ふちがしら
写真:刀装具の画像、上部「目貫(めぬき)」、左下「小柄(こづか)」、右下「縁頭(ふちがしら)」

鍔(つば)は刀の柄と刀身のあいだにある金具で、デザインの幅がとても広く、家紋や草花、風景をかたどったものなど、ひとつひとつが小さな美術品です。目貫は柄の握りに添えられる小さな金具で、職人の遊び心が詰まったモチーフが多く、コレクターから根強い人気があります。

刀の柄と刀身のあいだにある金具「鍔(つば)」
写真:刀の柄と刀身のあいだにある金具「鍔(つば)」

刀そのものは少し敷居が高いと感じる方でも、鍔や目貫などの刀装具なら、鑑賞や収集の最初の一歩として親しみやすい選択肢です。価格帯も幅広く、初心者の方にも人気があります。

和敬堂を語るうえで、欠かせない名刀があります。それが、七ツ胴落とし兼房(ななつどうおとしかねふさ)です。(7:22)日本国内に七ツ胴落としの切断刀は二振しか存在しなかったと伝わり、きわめて希少な刀でありながら、そのうち一振は存在が確認できていないため、現存しているのはこの兼房一振のみ。その貴重な一振を所蔵しているのが、新潟県長岡市の和敬堂です。印象的な名前を持ちながら、刀そのものとしての価値も非常に高く、まさに「ここでしか出会えない」名刀として知られています。

国内で唯一和敬堂に残存する名刀「七ツ胴落とし兼房」
写真:国内で唯一和敬堂に残存する名刀「七ツ胴落とし兼房」

七ツ胴落とし兼房とは、美濃国関(現在の岐阜県関市)で代々続いた刀匠集団、関の兼房一派によって鍛えられたと伝わる名刀です。関の地は、鎌倉時代の末ごろから刀づくりの中心地として栄え、武家から長く愛されてきた数多くの名刀を世に送り出した土地として知られています。

その名は、重ねた七つの胴体を一刀のもとに斬り落としたと伝わる、試し斬りの逸話にちなんでつけられたといわれています。かつての武家社会では、新しく鍛えた刀の切れ味を確かめるために試し斬りが行われており、その記録が刀の名前として残されることもありました。「七ツ胴落」という呼び名そのものが、この刀の並外れた切れ味を示しています。
七ツ胴の切断刀は最高位の刀とされ、「関の兼房」と「備前の基光」の二振が伝えられています。土肥さんによると、このうち「備前の基光」は現在所在不明で、現存が確認できるのは、和敬堂が所蔵する「関の兼房」だけだといいます。

名前の響きから受ける印象はとても強烈です。けれど、その逸話だけが価値の理由ではありません。長い年月のあいだ、人から人へと丁寧に受け継がれてきた経歴そのものが、この刀の価値をより深く感じさせます。

こうした名前の由来と、刀そのものが持つ歴史を知ると、刀剣を見る視点も変わってきます。

国内で唯一和敬堂に残存する名刀「七ツ胴落とし兼房」
写真:国内で唯一和敬堂に残存する名刀「七ツ胴落とし兼房」

七ツ胴落とし兼房を前にしたとき、逸話のインパクトだけに気を取られると、本当の見どころを逃してしまいます。

姿のバランス、刃文の出来の素晴らしさ、地鉄の肌目の表情、保存状態の良さ。こうした基本の見方を押さえてこそ、この刀が長く語り継がれてきた理由が理解できます。

和敬堂を訪れた際には、ぜひスタッフから七ツ胴落とし兼房の物語を聞きながら、刀身そのものにも目を凝らしてみてください。日本でただ一振しか現存しない名刀と直接向き合える機会は、そう多くありません。

和敬堂を訪れる前に、所在地や最寄り駅からの行き方を確認しておくと安心です。 新潟県長岡市は上越新幹線の停車駅でもあり、首都圏から訪れやすいエリアです。

和敬堂は、新潟県長岡市柏町に店舗を構える刀剣専門店です。長岡市は、上越新幹線の長岡駅を中心に、観光やビジネスの拠点としても賑わうエリアで、街中には花火文化や酒蔵巡り、少し足を延ばすと錦鯉や闘牛などもあり、日本の文化に触れることができます。

新潟県長岡市までのアクセスは、東京方面からなら上越新幹線で長岡駅まで、首都圏から二時間弱が目安となります。東京方面からは上越新幹線で長岡駅までアクセスできるため、日帰りや一泊二日の旅行にも組み込みやすい場所です。長岡観光のついでに、気軽に刀剣の世界をのぞきに行くという楽しみ方もできます。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の外観
写真:新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」の外観

和敬堂を訪れる前には、営業時間や定休日を確認しておくと安心です。日本刀の相談や鑑定を希望する場合は、いきなり来店するよりも、事前に連絡しておくとよりスムーズです。

電話やお問い合わせフォームで相談内容を簡単に伝えておけば、当日の案内も受けやすくなります。気になる刀がある場合も、落ち着いて見せてもらえる時間を取りやすくなるでしょう。

最新の営業情報や臨時休業の有無は、来店前に公式サイトでご確認ください。

和敬堂

基本情報
【所在地】〒940-0088 新潟県長岡市柏町1-2-16
【交通機関】長岡駅 西口から徒歩約13分(タクシーで1〜2メーター)。お車でご来店いただく場合は駐車場も御座いますので、ご安心下さい。
【電話番号】0258-33-8510
【FAX】0258-33-8511
【営業時間】9:00〜18:00
【店休日】第一・第三日曜

日本刀を手に入れたい、家に伝わる刀を相談したい、でもどこに頼んだらいいかわからない。そんなときに、信頼できる刀剣専門店を知っているかどうかで、その後の付き合い方が大きく変わります。

刀剣の保存方法には、いくつかの基本があります。湿気を避けること、定期的に油を塗り直すこと、使わないときは白鞘や拵(こしらえ)に収めて保管すること。どれも難しい技術ではありませんが、毎日の積み重ねが刀の状態を大きく左右していきます。

購入時に保存方法をしっかり教えてもらえる店であるかどうかは、これから日本刀を購入する方にとってとても大切な視点となります。和敬堂のような刀剣専門店では、購入後の手入れの相談まで丁寧に対応してもらえるので、はじめて日本刀を購入する初心者の方でも安心です。

日本刀は、購入だけでなく、通販、買取、下取りなど、さまざまな形で専門店と関わることになります。

和敬堂では、店頭での販売に加えて、オンラインを通じた通販にも対応しているため、新潟まで足を運ぶのが難しい遠方の方でも相談しやすい環境が整っています。家に伝わる刀の買取や下取りについても、刀剣評価鑑定士が在籍しているからこそ、きちんとした目で見てもらえる安心感があります。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」三代目店主・土肥さん
新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」三代目店主・土肥さん

加えて和敬堂には、購入後を支える保証制度が整っています。商品はすべて公益財団法人 日本美術刀剣保存協会の鑑定書付による正真保証となっており、贋物の心配なく日本刀を購入できます。(現代刀など一部には鑑定書が付かない商品もあります。)

「日本刀をどこで買えばいいかわからない」という方の最初の相談先として、和敬堂は心強い存在となります。家族から受け継いだ刀をどうしたらよいか迷っている方も、まずは一度、相談してみる価値があります。

姿、刃文、地鉄に表れる美しさ、太刀から短刀までの種類の違い、平安から江戸へと続く歴史、たたらと玉鋼から始まる作り方、博物館と専門店それぞれの楽しみ方。日本刀の世界は、知れば知るほど発見が広がります。

そして、「どこで日本刀を見たり買ったりすればいいかわからない」という方の相談先として、新潟県長岡市の和敬堂があります。創業約七十年の刀剣専門店で、刀剣評価鑑定士が二名在籍しており、日本刀や刀装具の販売、買取、鑑定に対応しています。店内では、太刀、刀、脇差、短刀、槍、鍔や目貫などの刀装具を見ることができ、日本に二振しかなかったと伝わる七ツ胴の裁断刀のうち、現存する一振、七ツ胴落とし兼房もここにあります。購入後を支える保証制度や、遠方の方が利用できる通販対応も整っています。

そんな和敬堂で三代にわたり日本刀と向き合ってきた土肥(どい)さんは、これから刀にふれる方へ、こう話します。

新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」三代目店主・土肥さん
新潟県長岡市・刀剣専門店「和敬堂(わけいどう)」三代目店主・土肥さん

日本刀に少しでも興味がある人は美術館などで色々な刀を見て知識を付けるのももちろん大切ですが、ぜひ日本刀の専門店に来店して、実際に手に取って品物を見ることをおすすめします。

実際に手に取って日本刀を見ると、人を切るために作られた武器である緊張感とその機能を追及する中で出来上がったその美しさに、すべての物事を忘れて日本刀と自分だけの特別な時間が流れます。

刀のコレクターにはお医者様や会社の社長も多いですが、忙しい中で刀を見るとすべてを忘れて集中する事ができて心をリセットできると皆、おっしゃります。そこが武士の魂と言われた日本刀の一番の魅力かもしれません。

その特別な時間を楽しめる、自分だけのお気に入りの一振を見つけるお手伝いが出来ればこの上ない幸せです。


実物の日本刀を見てみたい。家に伝わる一振を相談したい。自分だけの刀と出会ってみたい。日本刀に興味を持った方は、まずは和敬堂の公式サイトをのぞいてみるところから、はじめの一歩を踏み出してみませんか?

公式サイト
https://wakeidou.com

※本記事は和敬堂にインタビューの情報をもとに2026年6月時点の情報をもとに、執筆しています。

和敬堂の最新情報はCOOL JAPAN VIDEOSのSNSをご覧ください。

日本の魅力情報SNS「クールジャパンビデオ」



この記事を書いた人
最終更新日 : 2026年6月25日
日本
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新潟・長岡の刀剣専門店「和敬堂」で学ぶ日本刀|三代目店主が語る魅力・歴史・楽しみ方
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