さまざまな分野で活躍したスパコン「京」シャットダウンについて
「KyodoNews」が公開した、「スパコン「京」幕下ろす 後継・富岳、運用へ」は、かつて計算速度世界一を誇ったスパコン「京(けい)」のシャットダウンセレモニーの式典を紹介しているニュース動画です。
試運転中の2011年に、スパコンの計算速度を競う世界ランキングで2年連続1位を獲得し、さまざまな分野で活躍したスパコン「京」。
動画で紹介されているシャットダウンセレモニーでは、後継者の富岳(ふがく)も紹介され、日本のスパコンの性能の高さを知ることができますよ。
この記事では、スパコン「京」や次世代機の情報を動画と共にご紹介いたします。
スーパーコンピューター京とは?
スパコン「京」とは、理化学研究所理計算科学研究センター(神戸市)と富士通で共同開発されたスーパーコンピューターです。
NECや日立も開発当初に関わっていましたが、開発途中で撤退しています。
2012年に完成した「京」は生命科学、医療、防災、宇宙などさまざまな分野の発展に貢献し、成果を上げました。
「次世代スーパーコンピューター」「汎用京速計算機」「京速」とも呼ばれていました。
開発当時に世界一の計算速度を誇り、約7年間運用。
最新版の世界ランキングで20位まで後退しました。
世界に通用する成果を上げるため、最新鋭の次世代機にバトンタッチするために7年の歴史に幕を下ろすこととなりました。
シャットダウンの様子は動画の0:40よりご覧になることができます。
式典では約860台のスパコン「京」が順にシャットダウンされました。
動画の1:11からは、理化学研究所の松本紘理事長より、次世代機への期待も語られています。
後継の富岳は「京」の100倍の速度を誇り、人工知能(AI)としての活躍も期待されています。
さまざまな分野で活躍したスパコン「京」のスペック
写真:CPU
スパコン「京」のスペックを紹介します。
まずCPUは富士通が開発したもので、高い演算処理を行う高性能なCPUが使われています。
それを並列に88,128個つなげて使用し、1秒間に1京回(10ペタ)という演算を行っています。
これだけの大規模なスパコンだとエラーが心配ですが、独自の技術によりエラーを回避し、高速の演算処理を継続できるシステムが構築されています。
また、メモリも高性能なものが搭載されています。
電力は一般家庭の約3万世帯分を消費し、「京」全体を稼働する場合、1時間で約120万円かかります。
1日フルで稼働する場合、約2,800万円もの金額がかかり、高額な値段の電気代が必要でした。
次世代スーパーコンピューターの富岳
開発費約1,120億円をかけて作られた「京」の後継者である富岳(ふがく)。
2014年に開発が始まり、2021年に運用開始の予定となっています。
計算速度はスパコン「京」の100倍で、最高水準の実用性を目指しています。
CPUは15万個つなげ、「京」よりさらにパワーアップしています。
2019年11月時点でのスパコンランキングの首位は米オークリッジ国立研究所の「Summit」、続いて、ローレンスリバモア国立研究所の「Sierra」、「Sunway TaihuLight(神威・太湖之光)」となっています。
さまざまな分野で活躍したスパコン「京」の記事のまとめ
「KyodoNews」が制作する、「スパコン「京」幕下ろす 後継・富岳、運用へ」は、約7年間運用したスパコン「京」のシャットダウンセレモニーを紹介している動画です。
「京」の後継機も紹介され、日本の技術の高さに驚くでしょう。
このように日々発展するコンピューターが、私たちの未来の生活を大きく変えるかもしれません。
【公式ホームページ】「京」について | 理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS)
https://www.r-ccs.riken.jp/jp/k/
【公式ホームページ】スーパーコンピュータ「富岳」について | 理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS)
https://www.r-ccs.riken.jp/jp/post-k
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