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NIMSによる「数十年待つ研究」の動画を見てみよう

今回は「nimspr」が公開した「数十年じーっと待つ研究」という動画を見てみましょう。
数十年も待つ研究とは、一体どんなことなのでしょうか?

こちらの動画では、高温にさらされた金属材料がどう劣化するかという破断荷重試験を長い時間をかけて調べる、NIMSのクリープ試験を紹介しています。

動画で紹介されているNIMSのクリープ試験とはどういったもの?

NIMSのクリープ試験の画像
画像引用 :YouTube screenshot

NIMSというのは、国立研究開発法人物質・材料研究機構(National Institute for Materials Science)のこと。
環境やエネルギー、資源など地球規模の問題を解決するための研究をする機関です。

動画の0:17から紹介されている大規模な試験室には380台もの装置が並んでいます。
ここでは、火力発電所の配管やボイラー、タービンや圧力容器を想定し、動画の1:38からご覧になれるようにネジヤマを付けた試験片の鉄の棒の試験機に重りを取りつけ、ヒーターの入った大型高温機器で調査をします。

試験機を電気炉に入れて、金属に引っ張る力を加えながら一定の温度で加熱し、10万時間以上、クリープ変形量を監視するのが、NIMSのクリープ試験です。

動画で紹介されているNIMSのクリープ試験はどんな役に立つ?

NIMSのクリープ試験の画像
画像引用 :YouTube screenshot

クリープ試験で、加熱して金属の変化を待つ最長試験時間は40年以上にもなるといいます。
NIMSのクリープ試験は最長試験時間として、それまでのドイツジーメンス社の最長記録を抜き、ギネス世界記録にも認定されました。

動画の2:41にあるように、実験によって火力発電所の金属は最初の想定よりも早い段階で交換する必要があることが分かりました。
火力発電所では、クリープ試験の結果を受けて安全基準の見直しがされました。
クリープ試験はただ待つだけの地味なものですが、世界中の施設の安全を守る重要な研究なのです。

NIMSの「数十年待つ研究」の紹介まとめ

NIMSのクリープ試験の画像
画像引用 :YouTube screenshot

動画で紹介されているNIMSのクリープ試験は「ただ待つだけ」とはいえ、火力発電プラントや石油化学プラントで使われる配管や材料の強さや耐久性を調査する大切なものなのです。

エネルギー問題や環境問題の解決のために活動する日本の企業は数多くあります。
NIMSのクリープ試験を始めとした先進技術に、今後も期待が高まります。

【公式ホームページ】NIMS: 国立研究開発法人物質・材料研究機構
https://www.nims.go.jp/

この記事を書いた人
最終更新日 : 2022年4月10日
日本
坂崎 なお(Nao Sakazaki)
日本の文化や伝統に興味津々!ステキな風景を紹介していきます!

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数十年じっと待つだけの研究!NIMSのクリープ試験は、世界のエネルギー問題・安全基準を支える重要な調査!その研究内容や成果をチェックしよう!
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