北海道根室市の根室海峡付近にあらわれるオジロワシ動画紹介
こちらは『Gaiapress Channel』さんが公開した『オジロワシ』という動画です。北海道に生きるオジロワシの映像とともに、生態系を細かく解説。北海道の自然や鳥類に興味を持つきっかけになる1本です。ナレーションや概要欄の丁寧な解説もぜひご覧ください。
オジロワシってどんなワシ?
写真:オジロワシ
オジロワシは、タカ目タカ科オジロワシ属の鳥です。海岸・河川・湖沼などに生息しており、単独もしくはペアで行動します。食性は動物食で魚類・鳥類・哺乳類・動物の死骸・ヒツジの幼獣・タンチョウの雛などを食べます。
【動画】0:12~ オジロワシ
大きさは、オス80cm、メス94cm。翼を広げると180~220cm。「ピィー」「クワッ、クワッ」と独特の鳴き声を発します。
ユーラシア大陸北部一帯で繁殖を行ったオジロワシは、冬に中国やペルシャ湾周辺に南下し越冬します。近年は繁殖率が下がっているため、国内希少野生動植物種に指定され、1970年には天然記念物に指定されています。
オジロワシの生息地は?日本ではどこで見られる?
知床半島と国後島を隔てる場所にある根室半島では、アムール川から南下した流氷が見られます。流氷の上のオジロワシが動画でご覧いただけます。
【動画】0:27~ 流氷の上のオジロワシ
オジロワシの生息地は、ユーラシア大陸、ヨーロッパ、東・西アジアです。日本の北日本に集中して渡来し、北海道ではごくわずかですが繁殖もするのだそう。
完全な成鳥になるためには、6~7年かかります。若鳥のときには褐色の尾羽が、成鳥になると白い尾羽に生え変わり、クチバシは黄色に。
日本のオジロワシはどこで餌を見つけるのか
写真:魚を獲るオジロワシ
動画では海氷の下に潜んでいる魚をオジロワシが狙い集まっている様子がご覧いただけます。根室海峡はスケトウダラ漁が盛んなため、オジロワシはそのおこぼれを狙って集まっているのです。
【動画】2:07~ スケトウダラをねらうオジロワシ
タカ科の鳥のうち、魚を主食とする鳥はウミワシと呼ばれています。オジロワシやオオワシは典型的なウミワシでサケやタラが大好物。動画では捕食している姿が映し出されていますね。
【動画】2:43~ 捕食しているオジロワシ
根室半島、有利な場所はオジロワシやオオワシが占拠
漁が行われる沿岸部には烏やカモメがいるものの、6マイル程度の沖合はオジロワシやオオワシのような猛禽類がいます。晴れていれば見通しの良い高い場所や、吹雪の際には風よけになる風下側などの有利な場所は、オオワシたちが陣取っています。
ねぐらの上空に現れる「鷹柱」
写真:大空を飛翔するオジロワシ
動画ではオジロワシが山中に集まっている様子が収録されています。オジロワシの塒(ねぐら)は海から離れた場所にあります。
【動画】4:25~ 山中に集まるオジロワシ
「鷹柱」とは、鷹や鷲が群れになり、上昇気流にのって上空へ昇っていく様子をいいます。オジロワシの場合、渡りとは無関係に塒入りの時にも「鷹柱」を作ります。一本の木に複数の成鳥が休むのも特徴のひとつ。
【動画】4:49~ 鷹柱
オジロワシの視野に関する秘密
動画では、オジロワシの視野についても解説しています。オジロワシは上方向の視野が狭いと考えられており、吹雪のような明暗差に乏しい状況では視力が効かないことも判明しているのだそう。
【動画】6:05~ オジロワシの視野について
また、オジロワシは風車にぶつかり命を落とす野鳥としても知られています。上から回ってくる風車にあたる事故がほとんどなので、オジロワシの情報視覚の狭さが関係しているようです。鳥類が風車などにぶつかる事故をバードストライクと呼ばれています。
オジロワシとオオワシの違い
写真:流氷の上から魚を狙うオオワシ
肩の辺りが白い鳥がオオワシ、全体に茶色っぽく見える鳥がオジロワシです。どちらも羽を広げると2mを超える大型の猛禽類。観光で根室半島を訪れる方は違いを知っておくと、見分けがつきますよ。
【動画】0:51~ オジロワシとオオワシ
オジロワシはオオワシ同様に鳥インフルエンザに罹患しないなど、共通点が多いです。ただ、群れで行動したり、性格が穏やかなど、細かな部分で違いがあります。
オジロワシまとめ
撮影場所である北海道には、さまざまな生き物や植物が生息しています。根室半島では、オジロワシやオオワシなどのほか、タンチョウやルイビタキ、エゾライチョウといった野鳥に会えるバードウォッチングのツアーもあるようです。冬の北海道の大自然の中で、野鳥に出逢う旅はいかがでしょうか。
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