ボルシチ

8 時間前(編集済み)
[画像1]『鳥居に見守られる夏の航跡』朝5時に起床し、せっかくだから散歩にでも行くかとぼやけた目を擦りながら考えると、家の前の道路で爆音を鳴らしながら過ぎ去っていくバイクの音を耳にする。 その瞬間、私の中のバイ

『鳥居に見守られる夏の航跡』
朝5時に起床し、せっかくだから散歩にでも行くかとぼやけた目を擦りながら考えると、
家の前の道路で爆音を鳴らしながら過ぎ去っていくバイクの音を耳にする。その瞬間、
私の中のバイカー魂が熱くこだまする。
免許を取って約一年。
お気に入りのスーパーカブ50ちゃんを相棒に
今まで色々な場所へ足を運んだが、
この日私は決意する。過去の最高走行距離を
塗り替えてやろうと。
秩父まで、90kmほど走行したのが最高記録
であったが、そんなものじゃ足りない。
過去の自分を超えて行くのだ。
と、意気込みその場のノリで観光地を調べる。
GPT君によると約120kmの場所に
芦ノ湖という有名な観光地があるらしい。
良いじゃないか。
友人関係など一切持たぬ高校生なため、
一人空虚さを抱えハンドルを握る。
夏の照りつける日差しに喘ぎながら
ようやく目的地に到着する。
時刻は午前11時。
観光客でごった返した箱根神社は
パワースポットで有名らしい。
でかい鳥居を目の当たりにしながら、
どこか良いフォトスポットはないかと
足を運ぶ。
ようやく見つけたフォトスポットは、
釣り場の堤防のような場所だった。
最近買ったz fcちゃんを構え被写体を探すと
素晴らしくモクモクしている夏を思わせる
入道雲に目が惹かれる。
これを被写体に、デカ鳥居を入れながら
シャッターを切っていると、
奥の方から海賊船を思わせる船がこちらにやってくる。
ベストポジションを見計らい、ここだという
タイミングでシャッターを切ったのがこの写真である。
物寂しさを感じながら芦ノ湖を背に
帰路へつく。
帰りは、近場に海があったので
そこへ立ち寄った。
見渡す限りの砂浜と海。家族連れが一組、
海とじゃれあっていた。
ここはかなりの穴場なのでは、と人の少ない
砂浜を見渡す。だが、この日の気温は37度。
真夏のお天道様が熱い視線を送る中では
海水欲もなくなるものなのだろうか。
と思いながら、できるだけ丸い石を見つけた人が勝ち選手権を開催する。
参加者は私のみなので不戦勝である。
足に夢中で迫る波に気づかず、靴が波で
びしょびしょになった。
丸石をお土産にやっとお家に帰る。
でかい道は大渋滞。疲れと眠気と格闘しながら
ようやく終点へ。
靴を脱ぐと、海と汗の香りがした。