北海道留萌郡の「ニシンの群来」をドローン撮影した動画!産卵と放精が生み出す現象は、まるで真っ青な海にミルクをこぼしたような神秘的な光景
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北海道留萌郡のニシンの産卵「群来」動画紹介
今回は『今井秀美』さん制作の『海が白くなる!? ニシン群来のドローン撮影に成功!』という動画を紹介します。
北海道留萌郡小平町鬼鹿、青い海の中にミルクをこぼしたかのように真っ白に染まっています。これは、北海道に春を告げる魚であるニシンが産卵と放精のために起こる「群来(くき)」という現象。
青い海にまるで白い帯のように見える光景を、空から撮した動画。ニシンの大群が産卵のために訪れ、水面でピチピチと跳ねる姿に生命の力強さを感じることでしょう。まずは、動画でニシンの群来の様子をご覧ください。
春告げ魚として知られるニシンの群来とは?発生の原因や条件を解説!
写真:ニシンの産卵
例年2月〜3月頃、北海道の日本海沿岸では海がミルク色に染まります。この現象を「群来」と呼び、読み方は「くき」です。
春になると大群でやってくるニシンは、北海道では春告げ魚として親しまれています。俳句の世界では「鰊群来(にしんくき)」という言葉が春の季語になっています。
群来は、ニシンが産卵、放精のために沿岸にやって来ることで発生します。オスが海藻に産卵された卵に一斉に放精することで起こる現象。
群来は1954年、後志管内余市町から小樽市忍路の沿岸で確認された後、しばらく発生していませんでしたが、1999年に45年ぶりに観測されました。
発生条件はニシンの産卵期に、海が凪の状態であること、水温が比較的高く5度前後であること。2月から4月までの曇りの日、「鰊曇(にしんぐもり)」と呼ばれる気候の時に発生しやすいそうです。
群来が見られるのはニシンの産卵期のみ!見られる時期や場所を教えます
画像引用 :YouTube screenshot
群来は、ニシンの産卵期に見られる現象であることをお伝えしました。ニシンの産卵期は、1月下旬から5月上旬、中でも特に多く確認されているのは、2月から3月といわれています。
また、産卵は夜中に行われることが多いため、夜明け頃に海が乳白色に染まる姿が確認され、昼頃には消えてしまいます。午前中の早い時間を狙うと出逢える可能性が高くなるようです。
ニシンの群来が見られる場所は、北海道の日本海側、石狩湾内の各沿岸。特に、小樽市では群来は春の風物詩として知られるほど有名です。
ニシンの群来を見たい方は、2月から3月に小樽市の沿岸に訪れてみてはいかがでしょうか。ですが自然現象のため、時期や場所がベストであったとしても、必ず見られるものではありません。この時期に沿岸から神秘的な群来の現象に出逢えるのは、幸運なことなのかもしれませんね
旬のニシンの美味しい食べ方やレシピをご紹介!
写真:にしんそば
ニシンの産地として有名な北海道では、旬のニシンのいろいろな美味しい食べ方があります。ニシンの旬は春だけと考えられていますが、実は秋にも旬を迎えるそうです。
加工されたニシンでは、数の子や昆布巻き、糠にしん、身欠きニシンなどが有名ですね。珍しいものとしては、ニシンのお腹に明太子を詰めた冷凍食品も。身欠きにしんは、甘露煮にされて蕎麦に乗せる「京都名物のにしんそば」も有名です。
そのほか、3枚におろした身にレモン汁とオリーブオイル、塩胡椒を混ぜた調味液をかけて食べるカルパッチョもおすすめ。ジブリ作品「魔女の宅急便」に出てくる「ニシンのパイ」も、旬を迎えたニシンで作るとより美味しくいただける一品。焼いた身に野菜ペーストとホワイトソース、チーズを重ねてパイを乗せて焼くだけの簡単なレシピですので、ぜひお試しください。
「子持ちワカメ」「子持ち昆布」は、ニシンが卵を産みつけたもの!?
写真:子持ち昆布
産卵のために大群でやってくるニシンは、どこに産卵するのかを知っていますか?ニシンは浅瀬までやってくると、海藻類に産卵します。卵には粘り気があるので、昆布やわかめなどの海藻類に付着しやすいのだそう。
元々は自然に卵が産みつけられた天然物の海藻類が採れていましたが、漁獲高の減少によって少なくなりました。そこで、産卵の際の通り道に海藻を吊るし、産卵をうながして作っているそうです。
これを塩漬けにしてできるのが、子持ち昆布、子持ちワカメ。縁起物としてお正月のお節料理には欠かせないものとなっています。
子持ち昆布や子持ちワカメは、ニシンの卵からできているので、数の子と親戚と言っても良いかもしれませんね。
ニシンの産卵「群来」まとめ
青い海にたなびく、乳白色の帯にも見える群来という現象。その青と白のコントラストは貴重なインスタ映え写真になりそうです。
群来は、ニシンの大群が産卵のために集まり、子孫を残すために放精することで発生する現象だと考えると、とても神秘的ですよね。
2月から3月、春の訪れを感じる北海道旅行、特に小樽市に立ち寄る場合にはぜひ海岸線にも注目してみてください。運が良ければ、生命の神秘の現象「ニシンの群来」に出逢えるかもしれませんよ。