奈良の冬の風物詩の若草山焼き!鑑賞スポットから歴史まで徹底解説!
祭り・イベント
伝統文化
観光・旅行
若草山焼き動画紹介
今回は『奈良観光コンシェルジュ JUN』さん制作の『冬の風物詩・奈良の伝統行事『若草山焼き』:『Yamayaki』Mountain Burning and Fireworks at Mt.Wakakusa in Nara』という動画を紹介します。
若草山焼き(わかくさやまやき)は、奈良県奈良市にある若草山で行われる冬の伝統行事です。若草山山頂にある前方後円墳の鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)の被葬者への鎮魂として始まりました。現在では、奈良を代表する3大社寺である春日大社と興福寺と東大寺の神仏が習合し、先人の鎮魂と慰霊、奈良全体の防火、世界の人々の平安など様々な願いを込めて開催されています。
奈良の若草山焼きと大輪の花火を見に、毎年1月の第4土曜日には多くの観光客が訪れます。厳かな雰囲気の中、古都奈良の夜空が花火と燃え広がる炎で染まり、暗闇の中で山が浮かび上がる様子は神々しさが感じられます。まずは動画で若草山焼きならではの不思議な力を感じてみてはいかがでしょうか。
【動画】0:53~ 若草山焼き
【動画】1:50~ 若草山焼き
【動画】2:55~ 若草山焼き
若草山の見どころと特徴
写真:奈良県・若草山の鹿
若草山は、奈良のシンボルとも言える有名な観光スポットで、ノシバと呼ばれる芝生が一面に広がる標高342メートルの小さくなだらかな山です。山頂に5世紀頃に築造された前方後円の巨大な鶯塚古墳があることから「鶯山(うぐいすやま)」と呼ばれ、3つの笠を重ねたように見えることから「三笠山」とも呼ばれています。山の中にはたくさんの鹿が生息しています。
頂上からは奈良公園や奈良市街地が一望でき、山頂から見る奈良の夜景はその美しさから新日本三大夜景のひとつに認定されています。山開きの期間中は、頂上まで約30分の登山が楽しめ、桜や紅葉、山焼きなど季節ごとに美しい表情を見せてくれます。
春の訪れを知らせる炎の祭典の若草山焼きは、奈良の冬の風物詩として奈良県民や観光客に人気があります。毎年1月の第4土曜日に行われ、2024年は1月27日に開催される予定です。
若草山焼きはなぜ行われる?意味や歴史について
写真:若草山・鶯塚古墳
若草山焼きは、若草山山頂にある鶯塚古墳に葬る霊魂を鎮めるための祭礼に由来しています。昔の人々は鶯塚古墳に葬られた幽霊が出てくることを恐れ、山を焼くことで幽霊が出てこないようにしようと考えました。そこから若草山を焼かなければ良くないことが起こるという迷信が広がり、山を通る人が勝手に火をつける事件が何度も起こりました。
奈良奉行所は1738年12月に「若草山の放火禁止令」を出しましたが、その後も放火は続き、世界遺産として有名な東大寺などの近隣社寺が延焼の危険に晒されました。そのため、江戸時代末期頃には、若草山に隣接する東大寺と興福寺と奈良奉行所が合同で山を焼くようになったという歴史があります。
現在では、春日大社と興福寺と東大寺の神仏が習合し、先人の鎮魂と慰霊、奈良全体の防火、世界の人々の平安を祈るという意味を込めた伝統行事として定着しています。
若草山焼きや花火が楽しめる鑑賞スポット
写真:奈良県・若草山焼き
冬の花火が楽しめることも、若草山焼きが人気な理由の一つ。若草山焼きでは、点火開始を知らせるため花火師によって大きな花火が真冬の夜空に打ち上げられます。そして花火開始後に、若草山焼きの一斉点火が行われます。打ち上げられる花火の中には、奈良県唯一の尺玉も。これは1尺の大きさのある花火のことで、打ち上げ花火の花が開くと直径320mにもなる見応えのある巨大花火。奈良県最大級の大迫力の花火により若草山焼きへの期待も高まります。
【動画】0:25~ 花火
【動画】1:22~ 花火
【動画】2:18~ 花火
【動画】3:01~ 花火
ここでは、花火も若草山焼きも存分に楽しめる鑑賞スポットを紹介します。まずは奈良公園周辺の鑑賞スポットです。
●大仏殿前交差点(浮雲園地)
大仏殿前交差点(浮雲園地)では、目の前で若草山焼きが楽しめます。バス停や駐車場があり利用しやすい定番鑑賞スポットです。
●春日野園地
春日野園地は、大仏殿前交差点の近くにある芝生の広場。広々とした場所なので、抜群の見栄えで花火と若草山焼きが楽しめます。
交通規制などの詳細については、公式ホームページにて最新情報を事前にご確認の上、お出かけください。
その他の鑑賞スポットは、以下の通りです。
●猿沢池(さるさわいけ)
猿沢池は、興福寺五重塔の下で花火を楽しめる穴場スポット。山焼きは興福寺五重塔のあたりまで坂を登らないと鑑賞できないのですが、花火と若草山焼きの炎に照らされた興福寺五重塔を写真に収めることができます。
●奈良県庁屋上
奈良県庁では若草山焼き当日に屋上を開放しています。抽選制なので事前に申し込む必要がありますが、眺めの良い奈良県庁の屋上からゆったりと観覧できます。
●平城宮跡
平城宮跡では、朱雀門と花火と山焼きの幻想的なコラボレーションが楽しめます。ロマンティックな光景が見られるのでデートにもおすすめ。
また若草山焼きの一連の様子はYouTubeでライブ配信される予定なので、どうしても都合が合わない場合は自宅でも鑑賞してみてはいかがでしょうか。
若草山焼きまとめ
写真:奈良県・若草山焼き
古都奈良のシンボルである若草山に炎が燃え広がる光景は圧巻、一度見たら忘れられません。直前に打ち上げられる花火と若草山焼きの炎で夜空が染まり、暗闇の中で山が浮かび上がる神々しさを堪能できることでしょう。この冬は若草山焼きを鑑賞しに、奈良へ足を運び春の訪れを感じてみませんか。
◆若草山◆
住所: 奈良県奈良市雑司町469
開山期間:3月第3土曜日~12月第2日曜日
時間:9:00~17:00(臨時開山を除く)
拝観料:大人(中・高・大含む) 150円 小学生 80円
アクセス:
【公共交通機関】JR奈良駅、近鉄奈良駅から 市内循環バス「大仏殿春日大社前」下車、徒歩12分
【車】奈良奥山ドライブウェイ「新若草山コース」
【トリップアドバイザー】若草山